ブリエンツロートホルン鉄道に乗ってきました。
ブリエンツロートホルン鉄道に乗ってきたと聞いても、ピンとこない方が多いと思いますので、ちょっとだけご説明しますと、この鉄道は、スイス中央部のインターラーケンの近くのブリエンツという街からその近くのブリエンツロートホルンという山を登っていく登山鉄道です。夏の間だけ運行していて、SLが走っているというのが特徴です。
ブリエンツという街は、ブリエンツ湖の湖畔にある小さい街ですが、このブリエンツ湖は、青というかターコイズブルーのような色に、やや乳白色が混じった感じの、本当に何とも言えない美しい色をした湖で、私はスイスのなかでもかなり好きな湖なんです。スイスの湖を偉そうに語れるほど、見尽くしたわけではありませんが、この湖は、大きすぎず小さすぎず、また、近くに山が迫り過ぎてるわけでもなく、平野過ぎるわけでもなく、本当にバランスとれてちょうどいい、と私は思っていて、スイス通の人からは、もっと他にあるだろという意見も聞こえてきそうですが、そのあたりは、達人ではないので、普通ですいません、ご容赦ください。たぶん、私と同じような平均的な志向の方であれば、きっとそれなりに気にいって頂ける場所だと思います。
ということで、2022年6月初旬にブリエンツに行き、ブリエンツロートホルン鉄道に乗ってきました。6月初旬の土曜日に行ったのですが、実は前日の金曜日の夜に、明日はいい天気そうだなあ、どこか行きたいなあ、と思い立って、急遽行ってきました。つまり、グレッシャーエクスプレス等と違って、そんな感じでも行くことができる鉄道です。
チューリッヒから、ブリエンツまでは車で、そこから登山鉄道に乗ってくるという行程にしました。
この記事の対象者は、
ブリエンツロートホルン鉄道というものに、ちょっと興味はあるものの、下記のことがよくわからなくて、迷っている方。
・まずは、車の方。ブリエンツは湖畔なので、街が狭そう。なので、駐車場が心配だな。
・SLってどういうのが走っているの?
・乗っている最中にSLの写真は撮れる?
・右側と左側のどちらの席がおすすめ?
・上にあがると、何か娯楽施設のようなものはあるの?
・SLなので、服に臭いがつかないが心配。
・地図で見ると少し離れていそうだけど、アイガー、メンヒ、ユングフラウは見えるの?
まず、車で行かれる方に向けて、私の利用した駐車場情報を記載します。私はこの駐車場を利用しました。ブリエンツという街は、湖畔の街。一般的にこういった湖畔で山が近くにある街は、広い駐車場はのぞめないのが一般的ですので、駐車場の不安を感じる方がいても、それは当然だと思います。そんななか、おそらくここが一番広そうだなというところをチョイスしてみました。

車でどこかに行こうと思っても、駐車場が心配で出かけるのを躊躇してしまう方もたくさんいらっしゃると思います。そもそも当ブログの主旨が、「どこかに出かけるのを躊躇されている方の背中をそっと押すことができたらいいな」ということで始めたので、ということは、こういった駐車場の情報も、私の経験した範囲内でお伝えすることが、大事な使命だと勝手に考えています。
なので、止めた駐車場の情報も、皆様の参考になれば嬉しいので、勝手に評価項目を決めて、記載していくことにしました。
おそらく、海外で駐車場を探される方は、以下の観点から、検討されるんじゃないかなと思います。すいません、平均的思考の私の独断と偏見です。私は、いつも下記項目を検討します。
①アプローチの容易性
高速道路などの主要道路からのアクセスの良さを検討します。私にとって、高速道路から降りて、できれば、信号に一度も捕まることなく、駐車場に到達できるのが理想です。私は、トラムが走っているような街中の運転はできれば避けたいのです。
②移動の容易性
駐車場から市内中心部(目的地)へのアクセスの良さを検討します。私としては、中心地からは多少離れていたとしても、地下鉄やトラムなどの公共交通機関一本で、目的地に達することができれば、良しと考えています。
③安全性
これが海外特有かもしれません。海外でガラス割られたりしたら、面倒なことになりそうです。なので、まず、路肩のパーキングスペースには、私はまず駐車しません。できれば、立体駐車場などの外部の人が容易に入ってこれないところ。さらに、周辺の治安も考慮に入れます。とはいえ、ここで、安全そうと言っても、100%安全だと保証するものではありません、あくまでリスクは低そうだなあということです。特に、この点は、自己責任ということでお願いします。
④支払い・料金
私は、平均的な金銭感覚の人間ですが、そんな私でも実は料金には、そこまで強いこだわりはありません。やはり海外なので、ある程度の安全性を担保するためには、ある程度のコストは致し方ないと考えています。とはいえ、一日止めて4000,5000円行ってしまっても困るので、一日打ち止め料金があるとありがたいですし、その場合でも2000、3000円が限界かなという感覚はあります。また、支払い方は、できれば、入庫時に駐車券が発券されて、出庫前にマシンで精算、というのがいいです。パーキングメーターのは、先に時間を決めないといけないし、操作も面倒なので、好きではありません。
⑤空き具合
これも重要です。基本的には、いつ行っても空車はあって、すぐに止められそうだなというところを探します。
つまり、私の理想の駐車場像は、高速降りて一度も信号にひっかかることなく、巨大立体駐車場に入庫することができ、そこからは公共交通機関の駅に隣接していて、乗ると乗り換えなしで市内に行けて、一日打ち切りの駐車料金がある。というイメージです。私と同じような理想像を持っている方には、参考になるんじゃないかと思います。逆に、目的地ぎりぎりまで車で行きたいという方には、参考にならないかもしれません。
すいません、話が長くなりました。ということで、今回止めた駐車場をこの5項目に当てはめると、
①アプローチの容易性 ★★★
入り方は後述します。
②移動の容易性 ★★★
ブリエンツロートホルン鉄道の駅まで、徒歩で2分くらいです。
③安全性 ★★★
この街自体が、湖畔の観光地のため、周辺治安は全く問題ありません。
④支払い・料金 ★★☆
パーキングメーターでしたので、少しマイナスしました。料金自体は、安いです。6時間で4スイスフラン。1日で5スイスフランです。
⑤空き具合 ★★☆
駐車場は2層構造になっています。1層目は、すぐ満車になってしまう感じです。2層目は、それなりに広く(後で写真を添付)、土曜の朝8時半の時点ではガラガラ、お昼くらいに60%くらい埋まっている感じでした。
ということで、ようやく、いつもの体験記風、スタートです。
今回は、8:36発の、ブリエンツロートホルン鉄道を予約していましたので、それを目指して、車を走らせます。
さて、ブリエンツの街に到着です。まず、駐車場の入り方です。下の写真のCOOPの手前の道に(この写真の向きからは)右に入ります。

すると、正面にご覧のように駐車場の入り口が見えますが、今回はここはスルーします。道なりに左へ進みます。

すると、前方に立体駐車場のようなつくりのものが見えます。ここが今回の目的の駐車場です。この街には高速道路でアプローチするわけではないので、主要道路からのアクセスと読み替えて、今回は、アクセスは容易と判断します。

ここから入れるのは、1層目になります。が、このなかは日陰は嬉しいですが、狭いです。私が到着した朝8時頃でも、なかには1台だけしか空きがありませんでした。はなからここはスルーして、2層目に上がってもいいかもしれません。

2層建てのつくりで、2層目はこんな感じです。今日は土曜日ですが、朝8時の時点では、ガラガラです。ここを①とします。

2層目は、さらに上の写真を撮っているところから後ろを向くと、さらに奥にスペースがあります。やっぱりガラガラです。こちらを②と呼びます。

先に、私が戻ってきたときの状態を言っておきますと、私はお昼に12時半くらいには戻ってきましたが、そのときはそれぞれ、①はほぼ満車、②は60%ほどの駐車率、という感じでした。これが①スペース。

こちらが②スペースです。パーキングスペースは未だありそうです。12時半の状況です。

これが、6月の土曜の状況です。7月8月の繁忙期は、もう少し埋まるのが早いかも知れません。そのため、空き具合は★は2つにしましたが、早く到着できれば、十分停めることはできそうです。
支払いは、パーキングメーターでした。クレジットカードはコンタクトレスのみの取り扱い。紙幣は受け付けず、コインのみ。最初使おうと思ったカードは、コンタクトレスが反応せず。2枚目のカードでOKでした。コイン持っていなかったので、危なかったです。私、本当にパーキングメーター、嫌いです。時間を指定した場合は急かされることになるし。よくみると、料金表が書いてありますが、1日料金で5スイスフランです。ですので、皆さんは、5スイスフラン硬貨を用意して行かれれば、準備OKだと思います。

駐車場の話はここまでにしておきまして、次に鉄道のお話を進めていきます。
まず、予約ですが、私は公式サイトから、金曜日の夜に翌日分を予約しました。全然空いていました。
https://brienz-rothorn-bahn.ch/?lang=en
指定の列車を選んで予約していくことになるのですが、朝一番の列車は、アーリーバード割引みたいな感じで、少し安くなります。私は、それを利用してみることにし、8:36発を予約しました。システムのつくり上、どうしても seat guarantee [+CHF 8.00]を外すことができませんでしたので、ハーフフェアカード割引を使って、往復で、半額で37.5スイスフラン+seat Guarantee [+CHF 8.00]で、45.5スイスフランとなりました。このseat guaranteeは意味はよくわかりません。絶対外せないようになっていて、とはいえ、座れないで立って乗るスペースがあるわけでもないし、今でもいまいち謎のままです。もう手数料として考えたらいいのかな、そんな感じです。QRコードのついたチケットを印刷して持っていきます。
私が予約した時点(金曜21時ごろ)で、Availability が75くらいでした(おそらく1列車につき、100くらいがMAXだと思います。つまり25くらいしか売れていない状況)。心配だったので、寝る直前(24時ごろ)、もう一度チェックしたら、Availability75と全然変わっていない、このときは、よしよし、明日はガラガラだぞと思っていました。
当日の朝、予定どおり、ブリエンツロートホルン鉄道のブリエンツ駅に到着しました。

窓口で、印刷したチケットをちらっと見せたら、そのまま背後にある入口でQRコードをかざして入ってくれと。サイトから購入済みの人は、窓口に並ぶ必要はなさそうです。一応、私は、ハーフフェアカードを見せるよ、と言ったら、ああそうだったみたいな感じで一応見てくれます。

この2つの窓口の間にグッズが飾ってあります。いまいち惹かれなかったので今回はパス。

印刷したチケットのQRコードをかざす機械はこちら。しかし、ここらで、あることに気づきます。

そうです、ホームの先のほうには既にたくさんの人が。昨晩は、ガラガラだと思ってたのに。どうも、今日、直接窓口で買われている方も多いようです。そりゃそうといえばそうですよね、どうやら私、最近のWEB予約文化に染まり過ぎてしまっていたようです。
ホームには、30分前から入場可能のようです。完全に(余裕だと思っていたため)出遅れました。

列車が到着しました。客車は2両編成です。最後尾にSLが連結されている形です。SLというか、ミニSLという感じです。ミニSLが客車を押していくというスタイルです。こういう形だと、SLの顔を正面から撮りづらい。これがちょっと悔しいです。頑張ってこんな感じですね。これはこれで、逆にいうと、上り時に関しては、煙が客席に来ることはありません、SLは最後尾を走っていますので。

客席がオープンします。皆さんほぼ列などない状態ですので、まあ早いもの勝ちみたいになります。1つのボックスは前後向かい合わせで合わせて8人入ります。が、実際には皆さん少し余裕を空けて座っていますので、ぎゅうぎゅうということにはならないと思います。どちらかというと、登りは、左側のほうが景色がいいと思います。7:3くらいで、左の勝ちかな、そんなイメージです。なので、下写真でいうと乗り込んだら、突き当りまでいかずに、手前の席に留まるのがベターです。

出発すると、左手にブリエンツ湖を見ながら、列車は上がっていきます。ターコイズブルーのやや乳白色という表現、なんとなくわかって頂けますか。

7:3で左と言った件、3の右でもこんな景色に出会えます。基本、皆さん、立ち上がったりしますので、逆サイドも見えるといえば見えますし、いざとなれば、帰りもありますので、まあそこまで意固地にはならずに、左がベターくらいの感じで行きましょう。

この鉄道に乗る目的の一つとして、SL写真を撮りたいという方もいらっしゃると思います。乗車中にSLを撮るのは至難の業です。頑張ってこんな感じです。これ、かなり箱乗り状態で、身を乗り出して撮りました。車体が丸くて(上のほうが幅が狭くなる)、窓が上のほうまで大きく開くので、体を出し易いです。とはいえ、乗り出すのは、写真を撮るときだけにしたほうがいいです。途中に狭いトンネルも通りますので、後方ばかり見ていたら危ないと思います、注意してください。一方で、車両が短いので、角度がつきづらいです。結論、走行中のSL撮影は難しいということが判明しました。

これ、オプト式っていうやつですよね。(いや、違うのかな、実はよくわかりません。)私、鉄道マニアではないので、単語くらいしか知らないのです。

目指すブリエンツロートホルン方面を眺めます。これも左側からよく見えます。

(ブリエンツ)ロートホルン駅に到着しました。9時30分頃ですので、乗車時間は約55分ということになります。

ここで、頑張ってきたSL君を撮影することができます。頑張って乗車前に下で撮るより、景色も入りますので、上で撮ったほうがいいかも知れません。時間的余裕もありますし。

いかにもSLが先頭のようにとっていますが、この前に、客車が連結されている状態です。したがって、真正面からは撮影できません。

客車越しのアルプスを撮影してみました。こんな感じのところが終着駅です。

しばらく待って、折り返して下っていく列車を見送りました。

さて、帰りの時刻表を見てみます。ちょうど9時38分が下りていってしまったので、次が11時15分です。それまで、軽く散策してみます。

眼下にはブリエンツ湖が見え、さらに奥には、アルプスの山並みです。

このブリエンツロートホルン駅周辺には何があるかといいますと、レストラン(カフェ)が2軒と、山があるだけです。これと言った娯楽はあまりありません。山は、行けそうな範囲で、ピークらしきものが2つありましたので、そのひとつであるブリエンツロートホルンを目指します。列車の進行方向に向かって、さらに歩いていきます。てっぺんが見えてきました。ここまで10分くらいでしょうか。スニーカーで大丈夫なレベルです。

一番上に着きました。ここからブリエンツ湖方面を眺めます。奥に見える山々の名前がわかるボードがありました。早速、山座同定を開始します。

アイガー、メンヒ、ユングフラウなど、名峰が見渡せます。が、グリンデルワルトあたりに比べると、若干遠さは否めません。それらをとにかく見たいんだという方は、この谷の向こう側のグリンデルワルト方面、例えばフィルストあたりをお勧めします。ここは、ブリエンツ湖の美しさとアルプスの山々を静かに見たいんだという方にお勧めの場所です。

これが、左側のピークからアイガー、メンヒ、ユングフラウです、このボードに照らし合わせると。

それにならって、アイガー、メンヒ、ユングフラウをバックに、ブリエンツ湖、そして手前に(よく見ると)赤い列車、という構図を撮ってみました。

別サイドにもいい景色は広がりますが、どうしてもブリエンツ湖のインパクトには負けてしまいます。たぶん、ここだけで見たら十分すごいんでしょうけど。絶対評価の難しさというんでしょうか。どうしても人間、相対評価になりがちです。

出発までまだ時間があるので、駅の近くに戻ってきて、カフェで一休みすることにしました。ここらへんからも十分絶景です。

テラス席からは、こんな眺めになります。

下山の発車時刻が近くなってきたので、駅に戻ります。列車には、11時15分発に対して、10時50分頃から乗車可能になります。それまでは入れてくれません。少し早めにきても、皆さんやっぱり列にはならずに、時間になると、結局なし崩し的に乗車していきます。これは、外国ではある程度仕方ないです。基本的には、列に並ぶという考えがありません。
帰りは、SLが進行方向の先頭になります。が、(SLが)顔を正面には向けなくて、後ろ向きに先頭を走っているイメージです。
下りは、ご想像通り、トンネルだと煙が客室に流れてきます。けど、臭いはしません。昔の人達が語るような「SLでトンネル通過したら顔が真っ黒になる」的な話には一切なりません。たぶんクリーンな煙なんだと思います。服に臭いがついてしまうととかいう心配はいらないと思います。トンネルと言えば、音に関しては、かなり響きます。耳をふさいでるような人もいました。

下りてきました。ブリエンツ湖の色は近くで見てもやっぱりターコイズブルーなのか、をどうしても確かめたくなって、湖畔に行ってみました。やっぱりターコイズブルーです。ほんと、不思議な色をした湖です。

こんなことをしながら、少しブリエンツを散策し(といっても、特に湖以外見どころがあるわけではないと思いますが)、帰路につきました。
ブリエンツロートホルン鉄道、いかがでしたでしょうか。ツェルマットやユングフラウ地方に比べると、ちょっと地味かもしれません。頂上付近にも特に娯楽があるわけではありません。鉄道自体を娯楽と捉えられる人向きかもしれませんね。そのぶん静かでゆっくりできるところかなあと思います。
本日のお話は以上です。ではまた。