冬のオーストリア西部への旅 ~ ③インスブルック編
ザルツブルクからインスブルックにやってきました。インスブルックは、オーストリア・チロル州の州都で、オーストリア全体から見ると、かなり西のほう、スイスからは一番近い、まあまあ大きいオーストリアの都市ということになります。今回の行程でいうと、少しずつ戻ってきているその途中、みたいなイメージですね。まあ、ザルツブルクから(時間的に)そのままスイスに戻ることにできたんですが、ザルツブルクが金・土曜日だったので、せっかくここまできたんだし、まだ日曜日もあることから、インスブルックにも(土曜の夜)もう1泊し、日曜にスイスに戻る行程としました。
そうは言っても、この前のザルツブルクで、午前中も目一杯動いて、撮影場所の調査をしていたことから、インスブルックに到着したのが15時頃(ザルツブルクからインスブルックへは特急で2時間弱かかります)。ちなみに、オーストリア国鉄の特急はRailJet(レイルジェット)といって、こんな感じのなかなか格好いい車両で、私は結構好きな雰囲気です。なんか、JR九州とかで走ってそうですよね。外見は、水戸岡鋭治さんのデザインっぽいです、と言ったら、褒め過ぎでしょうか。

インスブルックに到着したときには、雪も降り始めて、かなり寒いです。このあたりは、この日は、天気が悪くあまりはっきりは見えませんでしたが、だいぶ山に囲まれている街のようです。インスブルック駅を降りて、そそくさとホテルを目指します。下写真はインスブルック駅の様子ですが、特別感は特にありません、日本にもありそうな普通の地方都市の駅です。

ホテルチェックインを済ませて、寒いですが、せっかく来たので、街に出てみます。本当は背後に山々が見えるんでしょうが、今日はそれが見えず、ただ普通のヨーロッパの街並みです。街並みについての特に感想はありません。たぶん3日目ということで、疲れもあるんだと思います。

旧市街に入っていくとメイン通りは、アーケードのような形になっており、その一角に一軒スターバックスがありました。入口はちょっとわかりにくいです。

ここでは、恒例のYou are hereシリーズのマグカップを売っています。上段がオーストリア版、下段がインスブルック版です。コレクトし始めた当初は、何で国版を売ってるんだろう、都市版のほうが断然いいじゃん、といきがっていましたが、最近はコレクションが増えすぎて、国版で十分じゃないかと薄々思うようになってきました。けど、都市版を集め始めてしまったからには、ここでもインスブルック版を買わざるを得ません。もうこれは半分義務のようなものです。この気持ちは、コレクターあるあるなんじゃないかと思います。

たぶんこのあたりが旧市街の中心地、黄金の小屋根の前の広場です。大きなクリスマスツリーとクリスマスマーケットが出ていました。下写真の右に見えるのが、黄金の小屋根です。

この黄金の小屋根、夜はライトアップされています。ちょうどこの広場のなかに、少しだけ登ることができるやぐらのようなものが組まれていましたので、夜にそこの乗って、撮影してみました(下写真)。黄金の小屋根も綺麗ですが、左側の建物もプロジェクションマッピングされており、そちらもなかなか綺麗です。

この広場には、Stadtturmという、いわゆる街塔も接しています。ここは明日登りますので、そこから見える景色は後述しますが、なかなかお勧めの景色だと思います。

インスブルックのクリスマスマーケットは、ここに来るまでの通りにもちょこちょこありますが、おそらくこの旧市街の広場と、この後に行くイン川沿いの広場の2つがメインなんだと思います。ともに、規模感として、知れてるといえば知れてる、という感じです。
旧市街広場から、イン川に向かって歩いて行きます。その距離もたいしたことはありません。すぐに川に出ます。イン川にかかる橋(Innbrücke)のたもとに、一風変わった建物がありました(下写真)。たぶん名所なんだと思います。私は、早速この建物にロックオン、この建物のミニチュア(陶器製の家みたいなもの)があれば絶対買おうとこの後も翌日も探し回ったのですが、残念ながらそういったものは売っていませんでした。

そして、これがイン川にかかる橋(Innbrücke)から見える対岸の景色です。こちらの景色はよくインスブルックを紹介する時に使われる有名なやつですね。

この橋を渡らずに、手前側の川沿いにクリスマスマーケットが展開されています。大きなガラス張りのクリスマスマーケットが、ひと際、目を引きます。あれが、有名なインスブルックのスワロフスキーのクリスマスツリーです。いろんな色に変わります。

とりあえず、駆け付け一杯、ではありませんが、このマーケットでもグリューワインを飲んで体を温めます。イン川沿いで、少し休憩です。

ここのクリスマスマーケットは、そのスワロフスキーのクリスマスツリーを中心に展開されています。逆に見どころは、そのツリーくらいです。さきほどの旧市街もそうでしたが、お店は飲食が中心という感じで、クリスマス雑貨系のお店は少ないです。飲み食いがあまり好きではない人は、そんなに時間を潰せないと思います。

近くに来てみました。もっとツリーっぽいのかと思っていましたが、要するにガラス張りの円錐型のオブジェです。スワロフスキーのクリスマスツリーっていうので、例えば葉っぱなんかもガラスでできているような細かい装飾が施されているものを想像していましたが、ちょっと違うようです。まあ、それは私が勝手に思っていただけのことなので、最初から巨大円錐オブジェだと思っていれば、おー、きれいだなあ、となるんだと思います。

数少ないクリスマス雑貨系のお店を覗いてみます。

やっぱり雑貨系のお店は少ないですし、インスブルックならでは、というものは特にありません。下写真の右下の籠のなかに雑然と入れてある陶器製の家だけ、なぜか安くなっているようだったので、購入しました。

全体的なクリスマスマーケットの評価としては、「州レベル」といったところでしょうか。名物のスワロフスキーのクリスマスツリーに興味があれば訪れてもいいのではないでしょうか、といったレベルです。1つ上の「国レベル」と言ってしまうと、オーストリア国内からの集客力があるという意味ですので、さすがにウィーン在住者がわざわざ行くほどではないと思いますので、「州レベル」の集客力と致しました。ちなみに、ウィーンは「ワールドレベル」だと思います。
翌日、この日はスイスに帰る日ですが、それでも空いた時間を使って、まずは街全景を写真におさめることができるスポットを探します。ザルツブルクでもそうでしたが、これはもう私のような平均的アマチュアカメラマンの習性です。
ただ、この街は、山に囲まれているとはいえ、サルツブルクのようにすぐ側に崖や丘があるわけではなく、山までのアプローチが意外と長いです。ですので、四方八方に行ってみるわけにもいかず、地図を見てみても、東西に近くに山はなく、北か南のうち、時間的にどちらかひとつしか行けそうもないことから、今回の旅では、街に南側にあるBergiselスキージャンプ台付近で、街全景の撮影スポットを探してみることにしました。

街からスキージャンプ台方面を眺めたところです。意外と遠そうです。

凱旋門のような門があるのですが、その通りをひたすら真っすぐ、南へ歩いていきます。下写真は、だいぶ街外れまで来たところです。雪深くなってきました。

車道は大きく右へカーブするところに来ました。ここで、車道と離れて、左前方の歩道に入っていきます。下写真の自転車の左側です。

しばらく登っていくと、DAS TIROL PANORAMA mit Kaiserjägermuseumという、こんな山の中に似つかわしくない綺麗な建物があります。ミュージアムとあるので、何かの博物館でしょうか。けど、特に興味も湧かなかったので、今回はパスです。

ここの側に、展望が望めるスポットがありました。下写真の小屋のようなところです。

ここから眺める景色はこんな感じです。街全景は見渡せるのですが、なんか特に特徴のない景色です。ランドマークのようなものが何もないからでしょうかね。頑張ってここまで来た割には、なんか感動は薄いです。きっと、この南の山サイドから見える景色はこんなもんなんでしょう。これは、さらに場所を変えても、劇的に変わることはなさそうです。きっと、ランドマーク的なものが見えない=街から遠すぎるんだと思います。

もうちょい、スキージャンプ台のほうへ進んでいくと、こんな双眼鏡が置いてある展望スポットがありました。先ほどの構図とは、少し角度が違うだけです。このエリア、無料ゾーンとしては、このあたりが限界です。なぜ無料という言葉を使っているかは、この後ご説明します。

スキージャンプ台の真下まできました。ここから先は、有料となるようです。ここに入場して、登らない限り、もういい街の写真は撮れなさそうです。私、ここに入らずに、周りを歩き回りましたが、住宅街に入って行ってしまって、街のほうは見えなくなります。そもそも、先ほども申しましたが、街のほうを撮影しても、ランドマークのようなものもないので、あまり良い画にはならないように思えました。

それから、この上写真で面白いところは、このジャンプ台、ケーブルカーのような乗り物が走っているのがおわかりでしょうか。私、今までスキージャンプ台に行ったことはありませんが、他のところもこういう仕組みなんでしょうか。個人的には、面白いアイデアだとは思いました。まあ、でも11ユーロもとられるので、ここは外からの撮影だけにしておきます。

オリンピックのモニュメントがありました。どうやら、昔冬季オリンピックが開催された会場だったようです。随分とオリンピックを推している感はありますが、我々日本人にとっては、こないだも東京オリンピックがあったわけですし、その会場なんて、そこかしこにあるわけですから、あまり響かないですよね。

ということで、下山してきて、もう一度街の中心部へ行ってみます。最後に、Stadtturmという街塔に登ると決めていたので、そちらに向かいます。入口は、下写真のようにアーケード沿いにあります。昨日のスタバパターンで、少しわかりにくいかもしれません。
中にチケット売り場があります。料金は4.5ユーロと、値段はお手頃でしたが、結論を言ってしまいますと、この塔からの眺めはとてもよかったです。4.5ユーロの価値はあると思います。変に、私のように、歩いて遠くの山(丘)まで行って、写真撮影を試みるくらいなら、この塔の上からのほうが、いい写真が撮れると思います。

チケットを買った後、このドアのところ、左向き矢印があったりと、少しわかりにくいですが、このドアを開けて中に入り、登って行きます。

螺旋階段を登っていきます。頂上に着くと、外に出ることができます。そこからは、眼下に昨日訪れた黄金の小屋根の広場を、真上から見下ろすことができます。

そして、実はよく見ると、奥の方にはこれまた昨日見た、イン川沿いのカラフルな建物群も見渡せます。このインスブルックならではの建物群を、上方向から見るには、ここからがいいと思います。遠くの山(丘)からは見えませんので。

最後に、スワロフスキーのお店にも行ってみました。というのは、このインスブルックはスワロフスキーのお膝元でして、本店はこのお店ではないんですけど、インスブルック郊外にあるようなんです。当然、お膝元だけあって、特別な何かがあるだろうという期待も込めて、ちょっと入ってみました。まず、入ったところが、何やらインスタ映えスポットのようになっています。なんだかよくわかりませんが、ここで写真撮影している方々もいらっしゃいました。不思議な空間です。

中は2階まであり、広いんですけど、値段は特に安いわけでもないですね。スワロフスキーは、毎年クリスマスオーナメントを発売しており、下写真は2022年版です。

これ(下写真)もそうですね。よく見ると、「2022」というラベルもついています。はっきり言ってしまえば、来年になってしまえば、アウトレットで激安で手に入るやつです。なーんてこともわかってはおりましたが、せっかくインスブルックまで来たので、記念にこのベル型のやつ、買ってしまいました。日本に帰ったら、家のクリスマスツリーに飾ってみることにします。

これにて、この街も終了です。電車でスイスに戻ります。最後に、この街で気になったこととしては、やたらと飛行機が近いです。地形上、どうしても、街のすぐ上を飛行機が通過するようになってしまっているようです。そして、先ほどの地図を睨んでみたところ、この航路の変更はどうしても、地形上難しそうです。下写真はiPhoneで撮影したものですが、体感としてはもっと近く感じます。これ、何が言いたいかと言いますと、もし、現地に行かずにこの街で不動産投資をされる方がいらっしゃる場合は、気を付けたほうがいいということです。騒音は不動産価値を押し下げる要素ではありますので。まあ、インスブルックの不動産投資をされる方はあまりいらっしゃらないとは思いますが、要は、現地に行っての確認が大切です、ということをお伝えしたかった次第です。

最後、駅で電車を待っているときの写真です。やっぱりすぐ上を飛行機が通過していきます。ちなみに、この機体はEasy JetというLCCですね。気になって調べたところ、Easy Jetは、インスブルックへはイギリスおよびベルリン、アムステルダムから飛んでいるようです(2022年12月現在)。

このインスブルック駅からは、オーストリア国鉄の特急RailJetで、3時間半くらいとなります。この帰りの列車、終点のチューリッヒまで、満席でした。ですので、この間を乗る方は、絶対に指定席を買っておいたほうがいいと思います。
以上で、今回のオーストリア西部への旅は終了です。結局、初日の疲れが尾を引いてしまって、最後はバテバテでした。ですので、最後のほうは、調査力が鈍ってしまったかもしれません。ちょっと皆さまのお役に立てなかったかもと反省もしております。
少し鋭気を養ってから、また頑張って取材してきたいと思いますので、温かい目で見守って頂けばと思います。それではまた。