冬のオーストリア西部への旅 ~ ①ハルシュタット編
早いもので、もう12月になってしまいました。今年は既に気温もぐっと下がり、雪も降り始め、孤独が身に染みます。そんな思いを紛らわすべく、ふらっとひとり、冬のオーストリア西部へ旅に出てきました。今回も夜行列車ナイトジェット利用、まさに「チューリッヒ発の夜行列車降りたときから~、」の津軽海峡冬景色状態です。「わーたしもー、ひとり~、連絡船に乗り~」、はい、まさに渡し船で行く街、ハルシュタットへ行ってきました。まずは、夜行列車と普通列車(および渡し船)を乗り継ぎ、ハルシュタットへ行き、そこで1泊。その後、来た道をたどりながら、サルツブルク1泊。更に、戻り道がてらインスブルック1泊、そこからチューリッヒへ戻ってくるという行程です。もし、ご興味があれば、お付き合い頂ければ幸いです。
この記事の対象者は、
冬のハルシュタットに行ってみたいと思っているが、以下のことが気になっている方。
・どうやって行くのか。冬でも渡し船は運行しているのか等、交通手段に不安を感じている方
・夜行列車ナイトジェットを利用しようと思っているが、とはいえ、到着時刻が早朝なので(実際チューリッヒからだと、早朝着いてしまう)、寝台車両を予約するほどでもないな、と考えていらっしゃる方
・ハルシュタットのクリスマスマーケットって、実際のところどうなの?と思っている方
・ハルシュタットの撮影ポイントは?
冬のザルツブルクに行ってみたいと思っているが、以下のことが気になっている方
・ザルツブルクのクリスマスマーケットはどんな感じか?遠くから行く価値ある?
・街全景やお城のおすすめ撮影スポットは?(私が行ったときは、曇天だったので、いい写真は撮れませんでしたが、ロケハンだけはしてきましたので、ある程度はお伝えできると思います)
冬のインスブルックに行ってみたいと思っているいるが、以下のことが気になっている方
・インスブルックのクリスマスマーケットはどんな感じ?スワロフスキーのツリーってどうなの?
といった方々に、お伝えできればと思っています。
まずはハルシュタットへの行き方のご説明から。私が行った手段は、2022年12月7日の夜発の、チューリッヒ発ナイトジェット(Night Jet 467)で、Attnang-Puchheimという駅まで行き、到着後、普通列車に乗り継ぎ、Hallstatt駅へ。Hallstatt駅からは、渡し船に乗って、ハルシュタットの街へ行く。というものです。実は、この2022年12月7日発で、12月8日到着というのが、ミソです。このハルシュタットという街では、1年に1日だけクリスマスマーケットが開催される日があり、それが2022年は12月8日だったので、どうせなら、その日に行くか、と思って予約しました。
調べ方は、Hallstatt Christmas とかで検索すれば出てくると思います。なんでかはわかりませんが、12月8日の1日だけの開催のようです(2022年)。

さて、このNight Jet 467は、Attnang-Puchheimには、朝5時28分には到着してしまいます。とはいえ、チューリッヒを朝出発だと、行けなくもないですが、おそらく最終目的地のハルシュタットには16時くらいの到着となってしまうと予想され、上記クリスマスマーケット情報によると、18時30分迄しかやっていないということを考えると、(早朝到着でも)このNight Jet 467で行くしかないな、と思って予約しました。けど、どうせ仮眠しかできないのに、寝台車両をとる必要あるか?と思った方いらっしゃると思います、はい、私もそう考えました。そう思った方は、この記事が少しはお役に立てると思います。詳細は今からお話しますが、私は、高くても、やっぱり寝台車両にすればよかったな、と少し後悔しました。
いつものようにオーストリア国鉄(OBB)のサイトからチケットを購入します。
https://shop.oebbtickets.at/en/ticket/offer?cref=oebb-header
21時40分ウィーン行きのNight Jet 467が、途中、朝5時28分にAttnang-Puchheimに停車します。確かに、ウィーンまで行くならば、朝8時くらいにウィーンに到着しますので、寝台車両(ベッド)は利用価値は大かもしれませんが、今回の場合は、仮眠くらいしかできないだろうし、ちょっともったいないかなと思い、椅子の席にしました。ただし、ただの椅子席ではなく、コンパートメント、つまり個々の部屋のような形になっているところを、プライベート利用、というやつにしてみました。オーストリア車両の場合は、このパターンができるようです。1人で個室をプライベート利用する、ただし、ベッドではなく椅子、という感じです。どうやって他の乗客が入ってこないようにしているか等の仕組みは、後でレポート致します。

Attnang-Puchheimに朝5時28分に到着した後は、(Attnang-Puchheim)6時4分発の普通列車で、約1時間25分かけて、7時29分にハルシュタット駅に到着する、という段取りです。ハルシュタットの駅は、湖の(街からみて)対岸にあり、駅から街へは渡し船が出ているらしく、その分のチケットはOBBサイトからは購入できません。乗船時に直接支払うことになりますので、やはりここでもユーロキャッシュは必要となりますので、ある程度細かい紙幣を持っておいた方がいいと思います。船は片道3.5ユーロ、往復7ユーロ、大人1名料金(2022年12月現在)です。
以上が、行きの行程となります。いつものように、チケットをプリントアウトして、夜のチューリッヒ駅に向かいます。今回乗車するナイトジェット467(ウィーン行き)は、実際はユーロナイトのブダペスト行きとプラハ行きも連結されていて、途中て切り離されますが、ここでは代表してナイトジェットのウィーン行きと表示されています。

今回の車両は、ナイトジェットなので、オーストリアの車両となります。クロアチア、ハンガリー、チェコあたりのユーロナイト車両と比べたら、気のせいかもしれませんが、やや先進国風の香りが漂います(ほんとに、やや、ですよ)。こんなんで先進国風とか言ってるあたり、最近は感覚がちょっとおかしくなってきたのかもしれません。きっと日本の観光列車なんかに乗ったら、凄すぎて涙が出ちゃうんでしょうね。
これが連結部分です。手前がハンガリー車両、そして向こう側がオーストリア車両です。そして、見てお分かりの通り、乗り込む際に、チケットをチェックする人は誰もいません。寝台車両のときは、だいたいチェックを受けるんですけど。これは、せっかくプライベート利用を予約したのに、誰でも入ってくる可能性がありそうで、早速、いやーな予感が漂います。

私が利用したのは、2等車のコンパートメント(プライベート利用)。片側が通路になっており、もう片方のサイドに部屋があるという作りで、それぞれ部屋が区切られています。

ありました。私の席は、105番です。見てみると、105以外の全ての席が、Zurich-Attnang Puchheim間で予約されています。つまり、6席全て私が予約してある、という状態になっています。普通に考えたら、これを掲示を見て、それでも入ってくる客はいないように思えます。

ということで、完全にこの部屋、私一人で使えるはずです。これは、思ったよりも快適かもしれません。と、このときは思っていました。下写真は、窓ガラスに自分の姿が写り込んでしまったので、白く塗りつぶしました。最近CMで見かける「Google Pixelを使っています」みたいなやつだったら、消しゴムマジックとかいうので、囲って「ほら、消せた」となるのでしょうが、そんな最新技術はよくわからないので、Windowsの”ペイント”で開いて、塗りつぶしの図形を配置するという原始的な方法で消しています。一応、これでも「ほら、消せた。私はペイントを使っています」ということにしておきましょう。

今回はベッドではありませんが、意外と快適です。ここまでのところは。こんなふうに足を投げ出すことだって、余裕でできてしまいます。

と思っていたら、やっぱり来ました。いやな予感、的中です。出発前に、早速、一人、入ってきました。なんでしょう、表に貼ってある「Zurich-Attnang Puchheim」×6の掲示を見てないのでしょうか。「予約してるから」といって、追い出します。いちいち説明するのが、面倒くさいです。確かに、トイレに行きがてら、他のコンパートメントを見に行ってみると、どこもほぼ6名びっしり座っています。どう考えても、きつそうです。そして、そのなかで、私一人だけで使っている部屋を見たら、それはもう入ってきたくなるのかもしれません。けど、だめです。こっちだって、お金払って予約してるんですから。
ちなみに、このコンパートメントは、下写真のように扉は締まりますが、鍵はかかりません。なので、簡単に誰でも入ってこれてしまいます。

そして、よく見ると、通路側にカーテンもあるじゃないですか。アベレージな日本人はきっと、車掌さんがやりやすいようにせめて検札が来るまではカーテン開けておこうとか、優しい気持ちを持ってしまうんでしょうけど、ここは海外ですから、それが仇となってしまいます。ということで、もし、私と同じように少人数でコンパートメントプライベート利用を予約した場合は、入ってすぐにカーテン閉めてしまって、通路を通る人に隙を見せないようにすることをおすすめします。
さすがに、カーテン閉まっている状態で、「Zurich-Attnang Puchheim」×6の掲示を見たら、常識的な人であれば、まず入ってこないはずです。これで95%は防げるはずです。ただ、それでも5%くらいは、常識では通用しない人もいますが。。

私は今回、運悪くその5%の人に、遭遇してしまいました。オーストリアのインスブルック駅を出た頃、夜中の1時半くらいのことです。私は、もちろんカーテンは閉めて、座席で横になって寝ていたのですが、それでもやっぱり一人入ってきて、起こされてしまいました。ここでも、この席は全部予約してるんで、と言って出ていってもらいます。そして、再び眠りにつこうかという頃、今度は車掌さんが入ってきて、チケットをチェックしにきます。さっきの人が、後ろの方にいたので、おそらくは車掌さんに「あの部屋、本当に空いてないの?」とか確認したんだと思います。車掌さんにチケットを見せて、プライベート利用と書いてあることを、また説明します。これが夜中の2時頃の話です。眠たいし、もう本当に面倒くさいです。相棒シーズン15の第18話で、杉下右京さんが、冠城亘さんに向かって放った名セリフ「考えが及ばないなら黙ってろ!」よろしく、「権利がないなら黙ってろ」と言ってやりたい気分です。ていうか、あの時の右京さんにはビックリしましたよね。いつもは冷静沈着に、ですます調で話しているのに、あの時の冠城さんへ向けての激昂ぶり、衝撃的でした。
ということで、これが、そのときに見せたチケットです。Privatabteil Sitzwagenというのが、「プライベート個室 座席車両(寝台車両ではないという意味で)」ということです。

朝方、Attnang Puchheimに到着しました。結局、熟睡はできなかったですね。やはり、夜行列車は寝台車両のほうがいいと思います。鍵もちゃんとかかりますし。ということで、この座席車両のコンパートメントのプライベート利用、特に1人で使う場合は、あまり強くはおすすめできない、というのが私の結論です。2名や3名なら、まだいいのかもしれないですね。
朝5時半くらいのAttnang Puchheim駅。まだ薄暗く、お店はもちろん、どこもやっていません。ていうか、こんなマイナーな駅で降りる人は、ほとんどいません。私のほか、1人だけでした、この駅で降りたのは。多くの人はウィーンまで行くものと思われます。

私が買ったチケット(というか、皆さん同じようになるはずです)は、ここに来るまでのナイトジェットは、この列車指定(つまりNJ467に乗らないといけない)のですが、ここから先の普通列車は、列車指定ではないので、同日であれば、どの列車に乗っても大丈夫なタイプです。これをPoint to Point ticketと呼んだりしますが、とはいえ、ここまで駅周辺に何もないと、これはもう進むしかありません。6時3分発の普通列車で、ハルシュタットに向かいます。

列車は7時半頃、ハルシュタット駅に到着します。単線の、湖のほとりの寂しげな駅です。街の対岸にある駅なので、この駅の回りには本当に何もありません。ただ、渡し船へ乗客を受け渡すためだけの駅と言っていいかもしれません。

駅には、下写真のように、SCHIFFSTATIONという目印があります。これが、SCHIFF(ドイツ語)はシップのことなので、船ということです。シップステーション、つまり船乗り場ですね。この道を下っていきます。

事前に調べてきた情報によると、ここからハルシュタットへの船は、列車到着に合わせて運行されている、とありました。が、どう考えても、船の気配も人の気配もありません。耳を澄ましても、船のモーター音すら聞こえません。まさに静寂な世界です。下写真のように入口にチェーンもかかっていて、看板すらその中にしまってある状況です。今はまだ朝の7時半頃。朝早くは運行していないのか、もしかしたら、冬期は運行していないのか、など不安がよぎります。

けど、公式HPで調べてみても、365日運行と書いてあるし。以下が公式ページのURLで、時刻表も載っています。私、何度も見ましたが、絶対に毎日運航と書いてあります。
http://hallstattschifffahrt.at/


上の公式ページの時刻表も、下写真の看板も同じ時刻表ですので、誤った情報というわけでもなさそうです。が、7時35分の船は来ません。よく見ると、7時35分のところに、1)と注記がありますが、これは「月~金の営業日」ということが書かれています。この日は12月8日で、木曜日です。仕方ないので、8時30分の船を待つことにしました。8時30分には2)の注記があって、5月1日から10月26日迄は毎日、それ以降は1)と同じ、つまり、今は12月ですので、1)の「月~金の営業日」運行と解釈できます。繰り返しますが、この日は木曜ですので、運行日のはずです。

ところが、8時30分も全く来る気配はありません。もしやと思って、オーストリアの祝日を調べたら、実は12月8日(この日)は、祝日でした。これで、すべて謎が解けました。木曜といえども、祝日だったんですね、これは盲点でした。というか、オーストリアが祝日だなんて、考えが及びませんでした。ん?考えが及ばない?これは、右京さんに、「考えが及ばないなら黙ってろ」って言われちゃうやつですね。まあ、私一人だけだし、黙ってるんですけどね。私と同じ境遇になってもいけませんので、行かれる方はオーストリアの祝日も調べておいたほうがいいと思います。そうしないと私と同じように1時間半待たされる羽目になりますので。
先ほど冒頭で、ハルシュタットのクリスマスマーケットは、「なんでかはわかりませんが、12月8日の1日だけの開催のようです(2022年)」と申し上げましたが、もしかしたら、毎年この祝日に合わせての開催なのかもしれないですね。ということはですよ、その1年に1回のクリスマーケット目当てで行かれようとしている方がいらっしゃいましたら、その日は祝日の可能性が高く、その結果、私と同じ目に遭われてしまう可能性があるということなんで、是非この点だけは知っておいて頂ければなあと思います。
ということで、無事、9時発の船が来て、乗り込むことができました。9時ちょっと前に到着した列車からは数人降りてきたので、船に数名のお客さんが乗り込むこととなりました。

チケットは、乗る際に購入します。往復で7ユーロです。ここでは現金払いです。

これが、船の内部です。小さな船ですが、乗客はあまりいませんので、移動し放題です。と言っても、外はかなり寒いので、結局ほぼ中で過ごします。

外にでて、行く先に見えるハルシュタットの街を眺めます。と、ここで、ようやく冒頭の津軽海峡冬景色の場面に戻ってきました。「わーたしは、ひとり~、連絡せ~んに乗り~」「凍えそうなカモメ見つめ、泣いていましたー、ああ~あ~」ってやつですね。カモメではなく、白鳥がいたりします。2番の出だしは、「ごらん あれがハルシュタット 北のはずれと~ 見知らぬ人が 指をさす」でしたっけ?石川さゆりさんの歌声が頭を流れます。

ハルシュタットの船着き場に到着しました。帰りもこの場所から乗船することになります。

日本語の看板もあります。日本だけでなく、中国語や韓国語の表記も。後でわかるのですが、この街、異様にアジア人観光客が多いです。自分もアジア人で、人のこと言えないことは重々承知しているのですが、それでも、ここまで多いとちょっとな・・という気分にはなります。この日は一年に1度のクリスマスマーケットだからでしょうか。5組に1組はアジア人グループ、くらいの確率です。特に韓国の方が多かった印象です。ポジティブに考えたら、彼ら(特に彼女ら)は、インスタ映えに相当力を入れている方々ですから、私もちゃんと映えスポットを抑えているんだ、と思うことにします。

まずは、定番の撮影スポットに向かいます。行き方は何も難しいことはありません。船を出て、広場を抜けて、突き当りを右のほうへ行けば着きます。

このビュースポットから見えるハルシュタットの街がこちらになります。これがよく絵葉書とかで見る構図です。確かに、よく出来た構図だと思います。

が、先ほども言いましたが、あまりにもあっさり着いてしまうので、どうしても他の構図も探したくなってしまいます。すいません、もうこれはアマチュアカメラマンの習性みたいなもんです。ということで、近くの教会がある高台に登ってみました。下写真が、その教会の側からの写真です。が、さっきの定番スポットのほうがいいですね。

さらに登ってみました。うーん、やっぱりさっきの定番スポットのほうがいいですね。これ以上登っても、いい撮影スポットはありませんでした(私、行けそうなところまでは登ってみました)。写真的には、このあたりが限界のようです。

さっきの高台にある教会から、少し街の中心地寄りのほうへ移動してきました。このあたりから見るHallstatt Lutheran Church(=中心地にある教会)は、まあまあいいと思います。これが、2番目かなあと思います。

やっぱり最初の定番スポットからの構図が一番いいという結論になりました。歩き回った割りには、何だよ、という結論で申し訳ありません。けど、私としては、自分で探し回っての結論なので、どういう結果であれ、納得感はあるんです。
次に、ハルシュタットのの市街地を抜けて、南側のエリアに行ってみました。

途中、このように、山にへばりつくような家々が見えます。このハルシュタットという街は、湖のほとりに、すぐ背後に山が迫っているところに作られた街のようです。

振り返って、ハルシュタットの街を眺めます。構図的には、やっぱりさっきの定番スポット、つまり北側からの眺めのほうがいいと思います。

なぜ南のほうまで来たかと申しますと、もしかしたら、皆様のなかにはこの街に車で来られる方もいらっしゃるかもしれません。そして、ここは街中には一般車両は乗り入れできません。街の外に車を停めなくてはならないということです。そこで、街の外にどういった駐車場があるのか、視察してこなくてはと思って、ふらふら歩いて行ってきました。
まずは、こちらが第2駐車場。上の地図でP2と書かれているところです。P1よりも、こちらのほうが街には近いです。が、平面駐車場で、すぐに満車になってしまう感が漂っています。

そして、こちら(下写真)が、第一駐車場です。地図ではP1と書かれていて、ぎりぎり載っているところです。こちらのほうが大きそうです。確かに少し遠いですが、こちらのほうが空いてそうですし、もし私が車で来るなら、こちらかなあとは思いました。

しかもここ、地下駐車場まであります。さすがに、怪しい人だと思われてもいけませんので、今回はこの下には入っていきませんでした。以上、もし、車で行かれる方が参考にして頂ければ幸いです。

この街には、塩坑があり、ケーブルカーで登っていけるようになっているようです。

このケーブルカー乗り場のところに、お土産屋も併設されていて、乗らなくても買い物はできます。こんなオリジナルダックも売っています。まあ、欲しいかどうかは別問題ですが。私は、こないだルーマニアのクルジュナポカで塩坑には行ってきたので、今回は塩坑に行くのはパスすることにしました。

そろそろお昼になってきたので、ハルシュタットの街に戻ります。ホテルに行き、ダメもとでチェックインできるか聞いてみたら、できるとのこと。まだ12時くらいなのに、ありがたいです。今回私が泊まったのは、Heritage Hotel Hallstattというホテルです。ここは、先ほどの船着き場の目の前にあるホテルです。下写真の左側の建物ですね。

部屋の窓からは、街の中心にあるHallstatt Lutheran Churchという教会が目の前に見えます。左の方にはハルシュタット湖も見え、なかなかのロケーションです。

部屋の窓から見ていると、そろそろ屋台も出始めてるようだったので、早速、出かけてみることにしました。まずは、腹ごしらえから。ソーセージを湖畔で頂きます。

まだ明るいですが、一応、マーケットは始まっています。開催場所は、Marktplatz、街の中心にある広場です。街を歩いていたら、普通に見つかるはずです。そんなに広い街ではありませんので。

そして、これが日が暮れてからのマーケットです。やっぱりクリスマスマーケットは暗くなってからのほうが雰囲気は出ますよね。この街のマーケットは、規模ははっきり言って、かなり小さいです。そして、お店も、クリスマス雑貨系は少ないです。食べ物だったり、あくまで地元の方向けと言った感じで、みんなで集まってワイワイ過ごすという雰囲気を楽しむべきところなのかもしれません。

私も食べ物を頂くことにしました。今回は、このHolzknechtnockerというものを買ってみました。初めて聞く名前です。

このHolzknechtnockerという食べ物、見た目はこんなたこ焼きのようなものです。が、たまたま焼き過ぎてしまったのかは定かではありませんが、固くてあまりおいしくありません。冷えてきたら(外は寒いのですぐ冷えます)、めちゃくちゃ固くなります。味は、あまり味がしないドーナツ生地、みたいな、なんか結局よくわかりませんでした。さっきのソーセージにもついていましたが、ザワークラウトは先ほどから安定の味です。

ハルシュタットのクリスマスマーケットはこんな感じで、あまり買いたいものもなく、ふらふらしたり、食べたりしていただけです。が、全体的な雰囲気はいいとは思います。
いつものように、そのクリスマスマーケット自身が持つ集客力で評価するのであれば、「町レベル~市レベル」かと思います。町(市)レベルとは、わざわざ他の町(市)からお客さんを呼び込めるレベルではないという意味です。ただ、これは決してディスってるわけではありません。そもそも、もともと地元の人たちがお互いの交流を目的にして、一年に1度やる行事というような印象を受けました。地元の人が集まって「今年一年どうだった?来年もよろしくね。」みたいな場所に、アジア人観光客(もちろん欧米の観光客もいますが)が大挙して押し寄せてしまっている、という感じに思えました。地元の方のために、そっとしておいた方がいいのでは、という思いも込めて、「町レベル~市レベル」と評させて頂いた次第です。決して、ディスってるわけではありません。この意図を汲みとって頂ければと思います。
ということで、私の意見としては、この街は景色だけでも十分魅力的な場所ですので、無理して一年に1日のクリスマスマーケットに合わせて訪れる必要はなくて、普通の観光として訪れればいいんじゃないかなあと思います。それだけでも十分いい写真が撮れると思います。
さて、私はというと、再び最初に訪れた撮影定番スポットへ、夜景撮影に向かいました。繰り返しますが、結局このスポットから撮る構図が一番いいかと思います。まずは、教会がライトアップする前の写真です。

そして、こちらがライトアップ後。暗くなりすぎると、ライトアップは魅力的ですが、教会の屋根と、後ろ(背景)の山の色が同化してしまって、ちょっとわかりにくくなりますね。もうちょい、(山の)下のほうまで雪があって、後ろが白くなるといいのかもしれないですね。そんな反省会を一人で開きながら、ホテルに戻ります。

今日は、本当に長い一日でした。元々は夜行列車ではあまりよく眠れず、朝は船が来ないかもとヤキモキしたり、撮影場所を探し回って高台まで登ってみたり、駐車場を視察しに行ったり。窓の外を見ると、まだ人は出ているようですが(ちなみに、下写真に見える道を先に進むと、Marktplatzがあります)、このあたりで、私は充電切れです。明日に備えることにしました。

明日は、ここハルシュタットから、ザルツブルクに向かいます。ということで、今回のハルシュタット編は締めさせて頂き、次の②ザルツブルク編に続きます。