夜行列車でスロベニア・リュブリャナへ ~ ①ブレッド編

2022年11月前半に、スロベニアの首都、リュブリャナへ行ってきました。今回私が、スロベニアに何しに行ったかと言いますと、純粋に観光目的です。ではまず、どんな観光スポットがあるのか、からお話させて頂きますと、スロベニアは、①ブレッド湖と、②ポストイナ鍾乳洞がおそらく有名どころかと思います。これらはともにリュブリャナから日帰り圏内で行けるということもあり、週末を利用して、リュブリャナを中心にこれらを巡ってきた、ということです。

今回の旅は、金曜の夜の夜行列車に乗って、チューリッヒからリュブリャナ(正確に言うと、ブレッドへ。このあたりは後述します)へ。その後、リュブリャナで1泊。そして、日曜日にポストイナ鍾乳洞を見学し、再び(その日曜夜発の)夜行列車に乗って、月曜朝に帰って来るという、やや強行軍です。強行軍ですが、うまく回れば、私のような(旅の達人でないという意味で)アベレージ人間でも可能です。ただ、行程組み立てにおいて、若干の注意点もありますので、そのあたりもお伝えしていければと思います。

この記事の対象者は

スロベニア旅行に興味があるが、以下のことが不安で躊躇されている方

・土日を挟んだ効率的なスケジュールの組み方は?

・ブレッド湖へ行き方は?特に、オーストリア西部方面から入る夜行列車で行く場合、一旦リュブリャナに行くべきか?

・ブレッド湖に浮かぶ聖マリア教会のおすすめ撮影ポイントは?

・ブレッドケーキのオリジナルはどこで食べることができるの?

・ポストイナ鍾乳洞の行き方は?

・ポストイナ鍾乳洞の内部の様子は?

・リュブリャナの観光スポットについて知りたい。

・リュブリャナの治安は大丈夫か?

等々でしょうか。今回もどうぞお付き合いくださいませ。

まずは、いつものように、いつの情報なのか、は明確にしておきます。こちらは、2022年11月時点での情報となっております。

私は今回は、夜行列車を利用しました。チューリッヒからは、東ヨーロッパ方面にいくつかの系統が今でも夜行列車として運行されております(確か、以前はブダペスト行きに乗ったのをご紹介したことがあったと思います)。今回は、クロアチアのザグレブ行きのユーロナイトです。このユーロナイトは、チューリッヒを20:40発で、オーストリアのグラーツ行きとザグレブ行きが連結された列車です。金曜にお仕事なり、何か用事がある方でも、使いやすい時間帯ですよね。

さて、予約の仕方ですが、基本的には、以前ご紹介したブダペスト行きと一緒です。オーストリア国鉄のHPからの予約がいいと思います。この夜行列車の類を管轄しているのは、(たとえスイス発クロアチア着だとしても)オーストリア国鉄になりますので。ナイトジェットとかユーロナイトとか言い方はありますが、基本的にはユーロナイトは東ヨーロッパ方面を中心に走っている列車で、車両がちょっと古いな、と思って頂ければいいと思います。

https://www.nightjet.com/en/

以前のこのページも参考にして頂ければと思います。

ブダペストへ夜行列車を利用して行ってきました。①ユーロナイト乗車編

2022年6月初旬にハンガリーの首都ブダペストに夜行列車に乗って行ってきました。 多くの西ヨーロッパ諸国では、キリスト教関連の祝日があり、全ての国を詳しく調べたわけ…

チケットの買い方は基本的にはこの時と同じです。このブダペストのときとの違いは、まずはもちろん行き先をLjubljana(リュブリャナ)を指定することです。そうすると、EN40465のザグレブ行きが出てくると思います。私のおすすめは、Sleeper Cabinです、つまり寝台車両です。そして、高いですが、Compartment with 1 bed (Single)、つまり、個室を一人利用をお勧めします。あ、これは、一人での旅行を想定してお話しております。やはり、そうは言っても外国ですから、知らない外国人と個室で過ごす、というのは、せっかく寝台車にしても、貴重品が気になってよく眠れないということになってはいけませんので。そうすると、もしかしたら、飛行機よりも高くついてしまうかもしれません。決して、夜行列車だから安いというわけではありませんので、その点だけはご注意ください。その価格対策という意味では、早く買えばその分安いはずなので、できるだけ早目の購入がベターだと思います。

ここからは、皆様も私と同じように、週末をまたがるリュブリャナへの往復チケットを購入したという前提でお話進めさせて頂きます。さて、まずは行き帰りの足を無事確保できたということで、次にリュブリャナでの土日の動き方を検討していかなければなりません。ポイントは、ざっくり言ってしまうと、2大スポットの①ブレッドと②ポストイナ鍾乳洞をどのように攻略していくのか、だと思います。特に土日、という点がポイントです。(平日行かれる方はさほど気にしないでください)

結論を申し上げますと、私がおすすめする土日におけるこの2つの巡り方は、「土曜にブレッド、日曜にポストイナ鍾乳洞、空いた時間でリュブリャナ観光」だと思います。

まず、この3か所の位置関係を下記地図に示します。

リュブリャナ⇔ブレッド、リュブリャナ⇔ポストイナは、ともに、バスで1時間くらいの距離にあるとお考え下さい。また、鉄道でも行けなくはないですが、それぞれの駅から目的地は少し離れており、また更にバスを使うとかを考えると、バス移動が得策かと思います。

そう考えたときに、土日におけるこれらのバスの運行状況が非常に重要になってきます。ブレッド便もポストイナ便も、同じバス会社なので調べるのは楽です。ともに、以下のサイトから時刻表を確認できます。また、チケットも買うことはできます。

https://www.ap-ljubljana.si/en/

まずは、ポストイナ鍾乳洞への行き方を検索してみます。言語を英語にしたうえで、Fromには「LJUBLJANA BUS STATION」、Toには「Postojna cave」を検索してみます。すると、土曜日は「There is no departure available for the selected date」となってしまい、なんと土曜日には運行していないことがわかります。もしかしたらサマーシーズンはあるのかもしれません。この点は、重要なポイントになってきますので、必ず、スケジュール組み立てる際には、こちらのページで運行状況を調べてください。とはいえ、土曜日に絶対に行けないということではなくて、「Postojna cave」と入力したところを、単に「Postojna」とした場合は、一応バスはありますが、この場合は、ポストイナという街に到着することになり、そこからは少し歩くことになってしまいます。ということで、基本的には「Postojna cave」までバスで行きたいところでもあり、ポストイナ鍾乳洞は(土or日という選択肢のなかでは)日曜日にしたほうがよいと思われます。

では、次に、ブレッド便の土日の運行状況は?と言うことだと思いますが、この場合は、toに「Bled」で検索してください。土曜も日曜も変わらず、めちゃくちゃあります。だいたい30分間隔で出ています。もちろん帰りも同様です。

以上のことから、土日にこのエリアを攻略するには、「土曜日にブレッド、日曜日にポストイナ鍾乳洞」がベストプラクティスだろうと、勝手に考えています。

ということで、土曜日にまずはブレッドに行くことは決まりました。さて、次に、もう一度ブレッド周辺の地図をよく見てみます。

実は、ブレッドという街の東(右)のほうに、Lesce-Bledという駅があるのがおわかり頂けるでしょうか。実はこのレスチェ・ブレッド駅、私が乗ろうとしているユーロナイト(EN40465)の停車駅でもあります。列車は、オーストリア西部の街Villach(フィラハ)からスロベニアに入り、リュブリャナへ向かって走ります。その途中で停まる駅、ということです。列車のタイムテーブルを見ると、確かに7:30頃にレスチェ・ブレッドに到着予定となっています。そして、レスチェ・ブレッド駅からブレッドへのバスも、先ほどと同じサイトで調べることができます。調べ方は、Fromに「Lesce train station」(Lesce Bledでは見つかりませんので、ご注意ください)、toに「Bled」です。結果を言いますと、土曜だろうが日曜だろうか、普通にあります。ということで、私のように、EN40465に乗ってまずはブレッドに行こうと考えていらっしゃる方は、リュブリャナまで行ってバスというよりは、レスチェ・ブレッドで下車して、バスで向かったほうが効率的な動きができると考えます。最速で8時半くらいから観光開始できるということです。

これで、だいたいの道筋は固まったので、早速金曜夜に、チューリッヒ中央駅からユーロナイトに乗り込みます。下の表示板によると、下から6つ目くらいのNJがそれになります。NJはナイトジェットの略ですが、行先がグラーツとザグレブで、グラーツ行きがナイトジェットなので、代表してこう表示されています。あまり気にしないでください。

セクターAとBがグラーツ行き、BとCがザグレブ行きのようです。この表示にしたがい、(チューリッヒはフォーク型の駅なので)前の方に進みます。

これが、グラーツ行き部分で、オーストリア車両ですね。一応、先進国の雰囲気が感じられる車両です(一応これでも。)。

その先まで歩いていくと、ありました、ザグレブ行き車両。クロアチア国鉄の車両のようです。あー、やっぱりこういう雰囲気ね、という感じです。けど、最近はもうだいぶ慣れました。いつものパターンですが、車両乗降口に乗務員がいて、チケットのチェックを受けます。検札というよりは、単にこの車両で合ってるか見てくれるというイメージです。

片方側に廊下があって、チケットに書かれたベッド番号の表示を探します。

私はベッド番号32と書かれていたので、ここです。番号が3つ書いてあるのは、デフォルト3ベッド部屋で、予約時に一人利用とすると、34と36のベッドが収納されて32だけセッティングされている、という意味になります。ですので、他の番号が書かれていても大丈夫です。

私、今まで、オーストリア寝台車両、チェコ寝台車両、ハンガリー寝台車両に乗ったことありますが、今回のクロアチア車両、今までで一番チープなつくりです。見たところ、背もたれがあり、いざというときは座席でも利用したろうという魂胆が垣間見れる作りとなっています。そのせいか、完全ベッド仕様ではないので、今までになく、ベッドが狭いし、なにより固いです。しかも、朝食の選択リストのようなものは置いてないので、朝食の種類の選択の余地はありません。

一応、洗面台はついております。あ、ちなみに、今回の車両は、そもそも1等2等の別はなくて、全て2等扱いということになります。ですので、トイレはついておりません。1等の場合は、部屋にトイレがつくんですよね(チェコ車両ではそうでした)。ですので、トイレに行かれるときは、部屋を出ていくことになります。

となると、トイレ時に部屋を出ていくときに、外から鍵をかけることができるのか?が気になりますよね。前回のハンガリー国鉄は、鉄板のようなキーが置いてあって、それを使って外からもロック可能でした。が、今回は置いてありません。トイレにいくときは、部屋のロックは開けっ放しっということになります。貴重品は持って出てください。もちろん、中から鍵はかかりますので、その点では安心して熟睡はできます。

自室内の温度調整は可能となっております。また右のほうボタンで、部屋のライトを消すこともできます。このあたりは、他の国の車両同様です。

出発してしばらくすると、車掌さんが検札にやってきます。チケットを一旦回収されてしまう形となります。ですので、チケットは印刷して持って行ってください。私は、念のため、このときに、「(リュブリャナではなく)レスチェ・ブレッドで降りることにした」と申告しておきました。朝ご飯を持ってきてくれる時間に影響するかもしれませんので。車掌さんは、一応、その旨を紙に書き留めていました。

ちなみに、スロベニアはシェンゲン加盟国ですので、パスポートコントロールは一切ありません。その先のクロアチアはパスポートコントロールはあるはず、どうするんだろう?(車内でやるのか?ホームでやるのか?など)、と興味は涌きますが、とにかく、今回の旅では必要ありません。

さて、翌朝、朝食が配られます。少し前に、飲み物どうする?コーヒー?カプチーノ?とか聞きに来ます。その後、朝食を持ってきてくれるわけですが、これまた、今までになく、チープです。はっきり言って期待しないでください。無いよりはましレベルです。

前述したとおり、私はこのレスチェ・ブレッド駅で降り、バス停に向かいます。本当に何もない寂しい駅です。けど、ちゃんとバスは来ますので、安心してください。

ブレッド行きのバス停の場所は、というと、この道路を渡ったところ。つまり、下写真では、右側に駅がありますので、左のほうにあるバス停シェルターがそれになります。右の方(つまり駅側)にもバス停シェルターがありますが、そこは違います。

一応、バス時刻表も写真撮りました。といっても、例のサイト(https://www.ap-ljubljana.si/en/)で調べられるものと同じです。スロベニアのバス会社なんかのサイトなんて信用できるかよ、どうせ更新されていないんじゃないの?と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、このサイトはかなり正確で信用できると思います。この後、行くことになるリュブリャナのバスターミナルの見かけからは想像できないくらい、バスの車体と、ウェブサイトはちゃんとしています。そして、結構な頻度でブレッド行きのバスはあります。

運賃は、乗り込むときに運転手に現金を支払います。スロベニアの通貨はユーロですので、ユーロ小銭を持って行ったほうがよさそうです。そして、ブレッドまでいくら?と運転手に聞いたところ、なんと驚きの1.3ユーロ。安すぎます。なにかの間違いかと思いましたが、下が証憑書類です。

15分くらいで、ブレッドのバスターミナルに到着です。どこに到着するかというと、ここです(下地図)。

ブレッド湖畔に横付けとはいきませんが、全然歩ける距離です。3分くらいで湖畔に出ます。こんな感じのバスターミナルです。この建物の裏手に回り込む形で、湖方面に向かいます。

一応、バスターミナスに周辺地図があったので、写真とりました。何がいいたかったかと言いますと、トイレの場所が載っています(私、この時点でトイレに行きたかったので)。WCマークへ一目散です。

このWCマークのところ、有料でした。0.5ユーロです。やっぱりここでも使いますので、繰り返しになりますが、ユーロの小銭は用意して入国してください。

すっきりしたところで、ブレッド湖畔に行ってみます。こんなハートマークのオブジェがありました。一応、記念撮影しておきます。ちなみに、ハートの後ろに見えるのは、ブレッド城です。

さっきから、ブレッド、ブレッドって言ってるけど、一体ここには何があるんだ?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここで改めてご説明いたしますと、ここには、ブレッド湖があり、そこには聖マリア教会という教会がある小島が浮かんでいる、というスポットとなります。下写真のように、小島はだいぶ左寄りにありますので、バスターミナルから湖畔に出たところからは、あまりよく見えません。いい写真を撮るためには、ここから移動する必要があります。が、そこまで心配しないでください。1周は充分に歩くことは可能なレベルです。私は、今回は、この聖マリア教会のいい写真を撮影するために、ここにやってきました。どこからのアングルが美しいだろうかを、事前にある程度当たりをつけて、候補を3か所に絞ってこれからその検証作業を行おうというミッションが待っています。

今回、私は、候補場所として、①Mala Osojnica、②Ojstrica、③ブレッド城の3か所をピックアップしました。それぞれの行き方と、どういう写真が撮れるか、最後におすすめ順を順位付けしましたので、ブレッドに行くけど、時間があまりない。けどいい構図の写真を撮りたい、という方は是非参考にして頂ければと思います。

まず基本的な動きとしては、湖の左のほうへ移動して、聖マリア教会に近づくことになります。これは、湖の北周りと南回り、どちらからも歩いて行けます。私は行きは南回り、帰りは北回りとしましたが、どちらかというと北回りのほうが道が(歩行者用として)整備されていました。途中の景色もそんなに変わりませんので、どちらか一方ということであれば、北回りだと思います。

そして、これ(下)が、湖畔を歩きながら撮影した写真です。湖の左のほうに行けば、こういう写真は普通に撮ることはできます。これはこれでいい写真だとは思います。が、どうなんでしょう、これが小島ということがわかりにくいです。もしかしたら、背後に陸地が繋がっていて、ただの半島のようになっているだけじゃないの?と言われてしまうかもしれません。冷静に考えると、ただの湖畔の教会なら、わざわざスロベニアまで来なくても、どこでも撮れる写真じゃないか、という指摘を受けかねません。やっぱり、わざわざここまで来たからには、ほらちゃんと小島になってるよ、ということがちゃんと伝わる写真を撮るべきかと思います。

というわけでは、まずは撮影場所1の①Mala Osojnicaへゴーです。このポイントがベストかどうかの話は置いておいて、まずは行き方のご説明から致します。湖畔の自動車が通る道から、まずは山側に入ります。その場所が下記地図の①のところです。

この①の場所、グーグルマップで見ると、いかにも車道が2またに分かれているように見えますが、実際のところそうではなくて、左へ入る道は明らかに山道に入るイメージです(下写真参照)。グーグルマップで、このような白い道として表記していいの?とは疑問に思いますが、ここを入っていきます(上記マップ①の箇所)。

その後、すぐに左へ折れます(上記マップ②ポイント)。ここもグーグルマップ上での白い道表記とは思えない道です。下の写真の左、ビヨンドザバー(バーの向こう側へ)です。後は山道をひだすら登っていきます。

しばらくは、山林の中を歩きますので、眺望は良くありません。しかも予想以上にきつい登りです。すると、ブレッド林業組合の方の努力の成果かどうかはわかりませんが、周りが伐採してあって、急に視界が開けるポイントがあります。ここからは、なかなかいい構図の写真が撮れます(下写真)。後ろにブレッド城を入れることができるのがなかなかいいと思います。

私は、この構図は、少しだけ島の角度がついていて(真横ではないという意味です)、結構好きです。でも、実はここ、まだまだ山の中腹で、目指す①Mala Osojnicaは、まだ先です。更に登りは続きます。途中で、こんなワイヤーのところを通ったり。

この階段のあたりでは、私、結構へとへとでした。よく考えたら、さっき寝台列車で到着したばかりなのに、何やってるんでしょう。

ようやく、目指す①Mala Osojnicaが見えてきました。このようにベンチがあったりしますが、あまりひと気はありません。

標高は、685mあるようです。元々何メートル地点から登り始めたかはわからないので、これがすごいことなのかはよくわからないですが、見渡す景色を見る限り、だいぶ登ったな、という印象はありました。

こういう角度の写真が撮れます。さっきのところより、確かに上方からの構図にはなりますよね。そして、構図的には聖マリア教会の真上にブレッド城を配置した写真を撮れます。ただ、ここまで来る労力との天秤にかけると、さっきの中腹で十分な気はします。はっきり言って、それくらい、この山の後半はきつかったです。

続いて、撮影ポイント②のOjstricaを目指さなくてはなりません。グーグルマップで経路検索すると、一回下りてまた登るルートが表示されてしまいます。さすがにそれはしんどいな、やめようかなと思っていたところ、この広場に、こんな標識を発見しました。つまり、別ルートで、下まで降りなくても、Ojstricaまで行けそうです。これに賭けてみることにしました。

途中、(どこが正式な道なのかわかりづらいという意味で)だいぶ道がわかりにくいので、慎重に進んでください。途中途中に、上のような道しるべはありますので、しばらく歩いてそれが見つからなかったら、常に進路を怪しんで、いつでも戻れるくらいの気持ちで進んでください。こんなところで、遭難しないよう、くれぐれもご注意ください。

さきほどの①Mala Osojnicaからは下ってくる形で、②Ojstricaへの最後の登り道への分岐点に到着します。下の写真でいうと、左のほうからやってきて、右へ上がっていく形です。通常、この②Ojstricaだけを目指して下から登ってくる方は、この写真の手前からからきて、この2またを右へ折れる、ということです。ですので、ここ(②Ojstrica)だけを目指す場合は、①Mala Osojnicaほど登らないで済むということになります。

②Ojstricaへの最後の登りです、やっぱりワイヤーのある道を通ります。明らかに、こちらのほうが、ひと気は多いです。

これが、②Ojstricaからの眺めです。こちらの山は岩山という感じです。頂上は狭いですが、こんな感じで人はたくさんいました。おそらくは、こちらのほうがメジャーなポイントなんだと思います。登りも①ほど厳しくなさそうですし。

こちらは、標高611mのようです。これくらいで十分な気がします。きっと皆さん、それがわかっていらっしゃるので、さっきの場所(①Mala Osojnica)には、あまり人がいないんだと思います。

ここからの構図はこのようになります。島は真横からのアングルになってしまいますが、先ほども言いましたが、労力との天秤で考えると、この景色で十分なんじゃないかと思います。

ちなみに、ここから湖畔に下りてきて振り返り、登山口の写真を撮りました。言い換えると、ここから登っていってください、というポイントです。

この登山口の場所をマップに示すと、下のOjstrica Trailheadと書いてあるところとなります。ここが入口です。

さて、ここまで2つのポイントを制覇してきて、だいぶ疲弊してきました。が、一応、もう1か所、③ブレッド城からの眺めも確認してこないといけません。ブレッド城は、今までのポイントから尾根づたいに来れるという地形にはなっていないため、一旦下に下りて、また登らなくてはなりません。たぶんブレッド城だけ行かれる方にとっては、造作もないのかもしれないですが、ここまで一連の動きで私は既にかなり疲れてしまいました。私、よほど疲れた表情をしていたのでしょう、ブレッド城への登りで、すれ違う外国人の方から、「オールモストゼアー!」とか言って励まさる始末です。なんだか情けないですね。この写真の頂上がブレッド城です。

皆様方のなかには、何でそこまでして、いい構図を探し回るのか、と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。それは、きっとあれですね、コンフィデンスマンJPのダー子さん風にいうと、「僕ちゃん、アベレージのアマチュアカメラマンにとって、最も恐れていることは何だと思う?」「それは、自分が既に撮った撮影場所よりも、もっといい写真が撮れる場所があったんじゃないかという不安に襲われること」なんだと思います。きっとアベレージの皆さんは、この感覚、わかってくださると思います。皆様には、そんな思いをして頂きたくないので、私はアベレージ代表として、全力で頑張っている次第です。

さて、そうこうしているうちに、ブレッド城に到着です。この門を入っていきます。

すると、なんと有料(当たり前と言えば当たり前ですが)。しかも13ユーロ。先ほどのバスのちょうど10倍です。けど、ここまで上がってきたからには入るしかありません。

お城自体は、さほど特筆すべきことはありません。私が興味があるのは、ここから撮影できる聖マリア教会の構図なんです。一応、敷地内も撮影しました。一番上に、このような広場があります。ここの左側の眼下にブレッド湖が広がります。

聖マリア教会の見え方は、こんな感じです。地図上から、たぶんこんな風に見えるんだろうなと想像していた通りの画ですね。ちょっと遠いです。あと、背後の山の感じがいまいちですかね。

この敷地内には、スーベニアショップもあります。下の写真のとんがり屋根の下あたりにお店があります。

例の私が集めてるお城のミニチュアありました。私、つい買ってしまいましたが、同じものは、リュブリャナでも売ってました。皆さん、焦りは禁物です。

それから、このお城、少し、いやらしいのは、お金を払って中に入らないと聖マリア教会が見えない作りにしてあることです。私、門の外、つまり無料ゾーンで、聖マリア教会が見れないか、うろうろ探索しました。2箇所くらい、湖が一望できるポイントがあるんですが、悔しいことに教会の小島は見えないように設計されています。例えば、下のポイントです。

いかにも見晴らし台のようにしてせり出していますが、先まで行っても、教会は見えません。この下写真が、先端から見える景色です。本来は、右前方に聖マリア教会のある小島はあります。ぎりぎり見えないように、見晴らし台の長さを設計したんだと思います。

また、城の門の右手にも行けそうな道があり、私、進んでみました。ちょうど下写真の右のほうへ行く道がありました。

ちょっとした休憩所のようになっていましたが、やっぱり小島は見えず。この右奥のほうに島があります。茂みと岩で隠しています。

ということで、つまり、このお城は、13ユーロを支払って、あの景色(少し前にご紹介した遠目のアングルのやつです)を見たいんだという覚悟がある人だけが、登りの一歩を踏み出べきところだと思います。上まで来てしまったら、中に入る以外、聖マリア教会を見れる手段はないので、苦労してここまで来たんだからお金払って中入るか、となることを見越した作りになっています。ですので、別にあの景色はいいや、という方は、結局疲れるだけなので、一歩すら踏み出すべきではありません。そして、中の売店で売っているお土産はだいたいリュブリャナでも買えますので。あ、もちろん、お城自体に興味がある方は話は別です。

以上のことから、ブレッドにて、湖に浮かぶ聖マリア教会の小島の撮影スポットとしては、私の独断と偏見および私の経験によると、下記の通りという結論となりました。この順位付けのなかには、単なる写真映えだけでなく、そこに辿り着くための労力も踏まえて、という形になっておりますので、その点だけはご注意ください。

1位:②Ojstrica

2位:①Mala Osojnica(正確には、中腹→頂上の順)

3位:③ブレッド城

正直言うと、写真的には①Mala Osojnica(特に中腹)のほうが角度がついて、いい構図ではありますが、いかんせん辿り着くのが結構きついです。②Ojstricaとの写真的な差はわずかだと思いますし、そのちょっとの差のためにかける労力かと言われると疑問が残ることから、写真映えと労力のバランスを鑑みて、②Ojstricaのほうを1位としました。

地図をもう一度、貼っておきます。是非参考にしてください。

この結論をもって、ブレッド湖での調査活動は終了です。ちなみに、聖マリア教会へは小舟で渡れるようですが、私は行きませんでした。基本的に今回の調査は、聖マリア教会の小島を(外から)写真に収めることに主眼を置いていましたので。

さて、疲れたので、甘いものが食べたくなってきました。ブレッドでは、ブレッドケーキというスイーツの発祥の地でもあります。せっかく発祥の地に来たので、オリジナルレシピのお店で食べるべく、Hotel Parkを目指します。どうやら、このホテルが発祥らしいという情報だけを頼りに行ってみました。どうやら現在オリジナルレシピで提供しているのは、ホテルの通りを挟んで向かい側にあるカフェのようです。名称はKAVARNA PARK CAFEという看板で営業していました。ホームページが一緒だったので、おそらく、ホテル系列のカフェという位置づけのようです。ただし、グーグルマップには、この名前ではなく、Park Restaurant and Cafeとして載ってきます。

行ってみると、確かに看板に、「Home of the Original Bled cream cake」と堂々と書いてあります。

中は、近代的できれいな感じです。私は窓側に座りませんでしたが、窓からはブレッド湖とブレッド城がよく見えます。ロケーションとしては、なかなかいい感じのところです。そして、周りを見渡すと、かなりの確率で、皆さんブレッドケーキを食べています。

ということで、私も注文しました、ブレッドケーキ。これです。あ、このお店、店員さんがなかなか来てきれなくて、しかも店内の雰囲気的に、もしかしたら、セルフでケーキを取に行くのかなあと思って聞いてしまいましたが、最終的には店員さんが注文を取りにきます。ですので、焦らず気長に席について待っていてください。

味は、というと、カスタードケーキです。そして、かなり甘いです。大きさが伝わりにくいのですが、結構大きいです。ですので、最後のほうは、ちょっとしんどくなります。絶対に飲み物は必要です。東欧や中欧でスイーツを食べれば食べるほど、フランスの偉大さを実感します。フランスのケーキって、味が単調じゃないんですよね。甘すぎないし。改めて、フランスのスイーツはすごいなと思います。なぜか話がフランスに飛んでしまいましたが、けど、やっぱりオリジナルという意味では、食べてみてもいいのかなとは思います。

そして値段は、というと、出ました。観光地価格。左上のOriginal Bled cream cakeがそれになります。5.6ユーロはちょっと高いかもしれないですね、このスロベニアの物価からすると。さっきのバスの約4倍です。もうあのバスの料金が基準になってきてしまいました。

糖分補給も完了したので、ブレッドのバスステーションまで戻り、リュブリャナを目指すことにしました。ブレッドからリュブリャナへはかなりの本数が出ています。下のほうに時刻表の写真を貼りました。このバスについては、運行状況の心配は特に必要ないかと思います。私の場合も、バス停に着いたら、既にバスが待機していました。この後到着するリュブリャナのバスターミナルの見かけからは想像できないくらい、きれいなちゃんとしたバスです。運賃は、運転手に直接支払います。そして、価格はなんと、驚きの2.1ユーロ。1時間乗るんですよ、ここからリュブリャナまで。どういうことなんでしょう。さっきのブレッド城に6回入れちゃいます。

気になって、このサイト(https://www.ap-ljubljana.si/en/)で調べてみたんですが、どうやらこの路線は、土日料金が設定されている路線のようです。先ほどのレスチェ・ブレッド駅から乗ったバスは、そういう設定はなく、純粋に毎日1.3ユーロのようですが、このブレッド-リュブリャナ線は、平日は6.3ユーロ、土日は2.1ユーロになるみたいです。どの路線に土日料金が設定されているのか、まではちょっとわかりませんが、それにしてもかなり安いですよね。

ということで、このバスに乗って、ブレッドを後にし、リュブリャナに向かいました。

②ポストイナ編(仮称)に続く。

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