ベルニナ急行に乗ってブルージオのループ橋を見に行く。③ブルージオのループ橋編
ブルージオのループ橋を越えた、最初の停車駅(ベルニナ急行の、という意味です。ローカル線は実はもうひとつ駅があります)Campocolognoで降車しました。一番選択肢が多そうだったので。
今は12:41。ここからブルージオのループ橋まで戻るには、Google Mapによると、3つの選択肢があります。
①13:08に来る普通列車に乗って、Brusio駅(13:16)、そこから約10分の歩き。推定、13:26に到着。
②(Google Mapによると)バスに乗って、ループ橋近くのバス停Brusio, Pergolaで降りる。バスの時間はよくわからないが、これが一番早そう。
③ブルージオのループ橋まで徒歩。Google Mapによると、所要40分。これだと、13:21分頃到着できそう。
まずは、②のバス停に行ってみることにしました。

時刻表を拡大したものがこちら。

なんと、土日の8:00-18:00は時刻が書いていません。今日は土曜日です。どうやら、この時間帯は、PubliCarという会社に電話して、来てもらうシステムのようです。電話してもすぐ来る保証はないし、電話で「Campocolognoにきてください」と言うんでしょうけど、この駅名の読み方がよくわかりません。ここはイタリア語圏、最後のgnoのところは、グノなのか、ニョなのか、わかりません。しかもよく読むと、少なくとも1時間前に予約しろ、と書いてあります。ということで、この②の選択肢は、ノーチャンスです。
だったら、もし、①にしても、結局最後は歩くのだから、もうここから歩いてしまおうと思い立ち、歩き始めました。
ところが、この40分の行程。あまり人にはお勧めできません。道は1本道なので、わかりやすいです。が、途中から歩道がなくなるので、危ないと思います。要するに途中こういう感じで歩道のないところを歩きます。確かに、交通量はそこまで多くはないですが、それでも、やっぱり危ないです。小さなお子さん連れの方は、やめたほうがいいと思います。

それでも、もしかしたら、ループ橋の絶好撮影ポイントがあるかもしれないと、探しながら歩き続けましたが、結論をいうと、ループ橋に到着するまで、道中そういったところはないです。ということは、①の普通列車に乗ってBrusio駅まで行って、そこから歩くというのが正解だと思います。帰りにわかったことですが、Brusio駅からループ橋までは、ちゃんと歩道があります。私のように、ベルニナ急行に乗って、帰りにブルージオのループ橋に寄ってみようとされる方は、Brusio駅まで普通列車に乗って、そこから歩くべきだと思います。
しばらく歩き、ブルージオのループ橋に到着です。まずは入口(というか入る道)。

以前、車で行こうと考えていたときに、どこかのページで入口に駐車場があると読んだ記憶があったのですが、この駐車場、よく見ると、誰でも止めていいところではなさそうです。コンドミニアム専用、みたいなことが書かれています。

じゃあ、車で行こうと思っている人は、どこで止めればいいのか、ということだと思うのですが、本当に正しく違法なくするのであれば、Brusio駅前の駐車場だと思います。この点は、帰りに撮影してきたので、後で書きます。
さて、ループ橋に近づいてみます。

この時点で、13:30過ぎ。帰りは15:16Brusio発の電車に乗ろうと決めていたので、1時間半くらいしかありません。1時間半もあるじゃないという意見も聞こえてきそうですが、写真撮影には橋の上を走る列車がつきもの。その列車の走行ダイヤを考えると、3,4回くらいしか、チャンスはありません。列車が来る前に、撮影ポイントを考えて、無駄のない動きが要求されます。
前提として、私は、いわゆる撮り鉄ではないので、たまに日本で話題になるような、いい写真をとるために、アグレッシブな行動はとりません。ごく普通の観光客が、無理なく、危険のない範囲で行けるポイントを探します。繰り返しますが、平均的な人間です。
ブルーシオのループ橋に行かれる方で、私のようにあまり時間がとれない方に向けて、私が撮影したポイント3ヶ所をあげておきます。よろしければ、参考にしてください。

①は、線路脇からの撮影です。ここから撮れる写真がこちら。

他にも撮影している人がいました。これは、少しだけ横の岩に登って、高さを稼いでいます。そんな危ない岩ではありません。この右側の岩に上がった感じです。

次の列車まで、数分しかないので、急いで②のポイントに移動します。
このベルニナ線は単線のため、Brusio駅ですれ違います。ということは、まず、ティラーノからの列車が橋を通過した後、Brusio駅で逆方面列車とすれ違うということです。なので、1本来たら数分のうちにすぐ来てしまうということになります。これが基本の動きです。
さて、②は、ループの外からです。

これら1セットの往復が過ぎると、しばらく時間が空きます。その間に③ポイントへ移動します。

③ここが、まあ全景を見渡せるかなというポイントです。この路肩の石積みっぽいところの上からが、眺めが良さそうです。ここは、車の往来があって危ないので、時間が来るまで、対向車線側の歩道で待機します。
電車が来ました。ベルニナ急行です。車両が長いので、頭と尾をおさめることができます。

私がまわりを探って見つけた撮影ポイントはこの3ヶ所です。本当は、いいちこのCMに使われたような、上のほうからの全景を撮りたかったのですが、無理でした。あれは、ドローンか、西側の山の上のほうです。西側の山は、とても徒歩で登れるようなところはなく、地図を見ると、だいぶ大回りをして、車で上がるように見えますが、仮に見えたとしても、かなりの遠景になってしまいそうで、私のようなスマホで撮影するような普通の人にはハードルが高く、やめときました。東側のガレ場は、危険そうなので、これもやめました。不法侵入とかせずに、普通の人が無理なく行けるということを重要視しています。
そろそろBrusio駅に向かいます。途中、ピザファクトリーみたいなところの駐車場がありましたが、やはりここも来客専用の感じです。

ここに停めるんだったら、いっそのこと、Brusio駅で、正々堂々と停めたほうがいいような気がします。
Brusio駅の駐車場はこんな感じでした。


今回は車で来たわけではないので、支払い方法までは調べていません。ぱっと見たところ、機械は見つかりませんでした。Easy Payとか、今はスマホで払う時代ということでしょうか。行かれる方は、スマホに設定して行ったら、楽だと思います。
さて、話は私自身の電車旅に戻ります。Brusio駅で15:16発の普通列車を待ちます。この駅、なかなかのローカル駅で、SBBのアプリで見たら、Stop on request と書いてあります。

これは、文字通り、リクエストがあれば止まります、という意味です。なので、通過されても嫌なので、駅にあるこのボタンを押しておきます。3つ並んでいるうちの、一番上の「Stop」というボタンです。実際のところ、人が待っていたら止まってくれそうな気もしますが、念のためです。

ちなみにStop on requestの駅で降りるときは、車内のボタンを押します。

無事に列車に乗り込み、帰路につきます。この列車で、終点のサンモリッツまで行っても帰ることはできますが、手前のポンテレジーナで乗り換えます。細かいことですが、ポンドレジーナで降り、Samedanというところにいけば、サンモリッツ発のクール行きの一本早い電車を捕まえることができます。1時間に一本なので、1時間稼げるということです。私はそんなに急いではいないですが、太川陽介のバス旅vs電車旅なら、致命傷になってしまうやつです。

帰りは、当たり前ですけど、やはり絶景です。ベルニナ急行と違うのは、普通列車は、窓が開けられる点です。行きにガラス越しで上手く撮れなかったところは、帰りに撮り直しましょう。
無事に乗り継ぎ、クールに戻ってきました。クール着は19:04です。あとは、チューリッヒに戻るだけです。21時頃には、戻ってきました。
今回のベルニナ急行は、大満足な旅になりました。もし、既にグレッシャーエクスプレスに乗っている方でも、十分楽しめると思います。グレッシャーエクスプレスは、雰囲気全体をリッチな感覚で楽しむもの、そしてベルニナ急行は、その景色全体を楽しむもの。別物です。確かに登山鉄道でも景観は楽しめますが、乗り心地は違います。グレッシャーエクスプレスと登山鉄道の中間の位置付けとして、十分成立するジャンルです。
是非、ベルニナ急行の旅をおすすめします。
皆さまの旅の道しるべになれれば、幸いです。では、また。