中欧3都市を巡る~①プラハ編
2022年8月の夏休み期間を利用し、中欧3都市(プラハ、ウィーン、ブダペスト)を巡ってきました。今回の旅は、すべて車で回ってきたので、まずは各国の運転する際の注意事項をお伝えさせて頂ければと思います。そして、観光については、プラハとウィーンは、定番スポットをおさえてきたつもりです。ブダペストについては、実はつい2か月前に訪れたばかりの再訪となりますが、そのときの忘れ物を取りに行ってきました(=つまり2か月前の心残りだったことを潰しに行ったということです)。
この記事(①プラハ編)の対象者は
プラハに行ってみようと思っているが、以下のことが不安で躊躇されている方。
・車で行こうと思っているが、どういった規制(特に、ヴィニエット、Low Emission Zone)があるのか。
・プラハの駐車場付きホテルの情報について知りたい。
・どんな観光スポットがあるのか?
・名物料理は何があるのか?
・お土産はどういうものがあるのか?
等々です。
チェコは、当ブログでは初登場ですね。したがって、まずは、事前準備編として、車で行く際の注意事項から記載していきたいと思います。
車で初めて行く国では、「まずは、①ヴィニエットと、②Low Emission Zoneについて調べる」から実践していきます。
①ヴィニエット
まず、チェコにおいて、ヴィニエットについては、必要です。私の場合は、ドイツ・ニュルンベルグ方面から高速道路でのチェコ入国となりますが、国境検問は一切ありません。気づいたらチェコ、という感じです。高速道路もそのまま続いていて、ドイツは無料なので、そのまま行ける錯覚を起こしそうですが、そのまま行ってはいけません。チェコ入国後の最初のサービスエリア(ガソリンスタンド)に寄って、ヴィニエットを買ってフロントガラスに貼ってから運転を再開する、というのが原則的な動きになります。
ここで原則的、という表現を使ったのには理由があります。つまり、これ以外にもやり方があるということです。私は今回は、この「これ以外」の方法をとってみました。
それは、e-Vignetteです。予めWEBでヴィニエットを購入し、ナンバー登録を済ませておくことで、スティッカーを貼らずとも違反になりません。今回のチェコ旅では、こちらを利用してみることにしました。購入はこちらのサイトから行いました。
https://edalnice.cz/en/index.html#/validation
10日間用で、310チェココルナ。チェコはEU加盟国ではありますが、通貨はチェココルナという独自の通貨を使っています。1チェココルナ=5.58円、0.04ユーロです。覚え方は人それぞれの感覚というものがありますので、特別お勧めはしませんが、私の場合は、「ユーロには、ゼロひとつとって、だいたい半分弱(=0.4掛け)か」という感じで思っていました。
ですので、ヴィニエットは、10日間用で1700円くらい、または12ユーロくらいということになります。他にも1年用と30日用があるようで、同様にこのサイトから購入可能です。購入後はすぐに、QRコードつきの書類が送られてきて、これにて登録が完了したことになります。最初は、これで本当に大丈夫なの?警察に止められないの?と思っていましたが、結論をいうと、2日間チェコの高速道路を走り切りましたが、特に問題は全くなかったです。これで、大丈夫です。
これなら前述した、ガソリンスタンドに立ち寄って、ヴィニエットを購入して貼るというステップは省略でき、まさに、ドイツからそのまま高速道路を運転し続けることができます(ただし、スピードは注意してください。ドイツ高速道路は無制限ですが、チェコは130kmですので。)。
②Low Emission Zone
あくまで2022年8月時点での情報です。いろいろ調べたところ、どうやらLow Emission Zoneを導入する、と大々的に宣言したものの、遅々として進んでいないようです。延期したという情報もありました。スティッカー制度も導入しようとしていたようですが、まだどこからも入手することができないようです。下記プラハ公式ページを見てみましたが、政策の意義などはものすごく書かれていますが、で?いつから?スティッカーはどこから入手するの?が書かれていません。
https://www.praha.eu/jnp/cz/doprava/automobilova/nizkoemisni_zony_1/index.html
これは、以前の鳩山政権のころだったでしょうか、世界に向けて二酸化炭素排出量を〇%削減する、と勝手に世界に約束してきて、日本国内のひんしゅくを買ったという出来事に、なんとなく似ている臭いがしますね。EUがみんなやるもんだから、うちもやると宣言してきてしまって、さあ実務的にどうしようか、となっているパターンの香りが漂います。いや、これは勝手な推測ですが。いずれにしても、この(今のところの)やるやる詐欺のおかげで、今のところは、普通乗用車は街中には入れるようです。ただし、これは2022年8月時点ですので、今後、話が急展開するやも知れません。今後行かれる方は、最新の情報を収集するようにしてください。今はどこからもスティッカーは取得できないです。
続きまして、プラハの駐車場付きホテルの情報です。私が今回宿泊したのは、Hilton Prahaです。街から近くて、広い駐車場付きを探したのですが、あまりいいところが見つからなくて。これから、恒例の駐車場チェックを書いていきますが、正直あまり評価が高い駐車場ではありませんでした。
Hilton Praha自体は立派なホテルです。
①アプローチの容易性 ★☆☆
高速道路を下りてから、結構走りました。本当は、下りたらすぐか、せめて10分以内なら許容ですが、30分くらい走ったと思います。その分、街中にまで入ってきているということなんですが。ここではアプローチの容易性だけを客観的に評価して、星ひとつとしました。
駐車場の入り口自体はわかりやすいです。ホテルの正面をそのまま行き過ぎたら、地下駐車場への入り口が見つかります。

ちょうど上の写真の左下あたり(ホテル正面を行き過ぎて、行ききったあたり)を拡大したものが下写真です。ここに入っていきます。

②移動の容易性 ★★☆
この評価項目は、目的地までの移動のし易さを評価しているのですが、今回の目的地は、プラハの旧市街の天文時計として評価しました。ここから天文時計までは歩いて20分ほどです。私は、公共機関は利用せずに歩きましたが、少し後悔しました。まあまあ遠いです。けど、一方で、旧市街から徒歩圏内で車を停めておけるなら、良しとする考え方もあるかと思います。
③安全性 ★★★
ホテルの敷地内の地下駐車場なので、特に問題はありません。
④支払い・料金 ★☆☆
支払い方法は、精算機に駐車券を入れて精算する方式です。この点は問題ないのですが、値段が高いです。一日停めて、800チェココルナです(ちなみに、時間レートは、1時間60チェココルナとのこと)。800って、約32ユーロですよ。チェコでこの値段は高すぎです。

⑤空き具合 ★★☆
これも正直微妙な気がしました。このホテル、上のほうにある写真を見て頂ければおわかり頂けると思いますが、かなりの巨大ホテルです。そのわりには、駐車場は狭いなという印象です。いや、充分広いんですけど、部屋数に比較して、という意味です。1層(=1フロア)しかないのですが、結構埋まっています。このホテル規模ならば、もう1層欲しいところですね。1スペース毎を狭く仕切ってあるためか、1台で2スペース使いしている迷惑車両が結構いました。狭く仕切り過ぎたことの弊害ですね。駐車場を作る際は、(特に海外では、そういう輩が一定数はいますから)目先のスペース数に拘らずに、ある程度余裕を持たせたほうが、結果として、たくさん停めることができるといういい教訓です。

やっぱり街中、特に旧市街からの徒歩圏内だとこんなもんなんですかね。まだまだプラハの駐車場事情については、研究が必要そうですね。次回またプラハに車でくることがあれば、別のところを探してみたいと思います。
それでは早速、観光に出かけます。まずは観光の中心になるであろう旧市街広場へ行ってみます。ここは、天文時計がある広場です。この街は、百塔の街と言われているように、塔が多いです。ただ、なんとなく、ほとんどの塔に言えることですが、「いいモンが住んでいる塔か、わるモンが住んでいる塔か」の2択で分けるならば、なぜか後者の気がします。なんでなんでしょうか。ディズニーで言ったら、魔女が住んでるやつです。

上写真の、左側の建物が天文時計です。毎時00分にからくり時計が動くので、その時刻が近くなると、大勢の観光客が集まってきます。この塔にも登ることはできますが、今はパスして、明日の朝に登ることにします。

すぐ近くには、カフカがプラハで住んでいたというアパート(下写真)もあります。

この旧市街ですが、石畳が他のヨーロッパの都市に比べて、ひとつひとつの石が大きくて、モリっとしている気がします。何が言いたいかと言いますと、スーツケース泣かせだと思います。現に、大きいスーツケースのキャリーがうまく転がらなくて、苦労している外人さんを見かけました。この街にくるには、バックパックがよさそうです。もしくは、大きなスーツケースはホテルに置いてから旧市街に来る、というほうがいいと思いました。

定番のカレル橋にやってきました。正面に見えるこれまた悪そうな塔が、カレル橋の入口です。

この悪そうな塔(旧市街側の橋塔)に登ってみます。入口は、この塔の真下、モルダウ川に向かって左手にあります。この看板が目印です。

この看板のすぐ横に入口があります。チケット売り場は、ここから入って、しばらく上に登ったところにあります。「チケット売り場はファーストフロア」と書いていましたが、とてもファーストフロアとは思えないくらい、結構登ってから、出現します。ですので、はじめは、登りながらここであってるのかなと不安になりましたが、大丈夫です、そのまま上がっていってください。

しばらく登ると、下写真のようにチケット売り場が出現します。確か、150チェココルナだったと思います。ちなみに、二つ上の看板写真に、実は白い紙が貼ってるのですが、アーリーバード割引があるようです。オープン後1時間と、クローズ30分前は50%になるようです。

さらに登り続けます。もちろんエレベーターはありません。一番上まで来ると、目の前には絶景が広がります。特にここから見る(手前の)カレル橋とその向こうに見えるプラハ城は、素晴らしいです。「まるで人がゴミのように見えます。」おっといけない、天空の城ラピュタのムスカのセリフがこみ上げてきそうになりました。ふぅー、危なかったです、悪そうな塔をたくさん見たおかげで、悪魔に魂を乗っ取られかけていました。もういちど、正気に戻り、景色を眺めます。橋の上では、人々が幸せそうに歩いています。

地上に戻ってきての、カレル橋から見るプラハ城の写真です。橋塔からの写真と見比べて頂くために、並べてみました。どちらもいいとは思います。個人的には、上のほうが好みかな。とは思っています。

先ほどの橋塔の最上階で、ボランティアと思われる方が、「このすぐ下にある教会に、モーツァルトが弾いたオルガンがあるよ」と教えてもらったので、その教会に入ってみることにしました。St. Francis Of Assisi Churchという教会のようです。

教会ですので、中には無料で入れます。が、入口付近は入れましたが、その先(座席のほう)はロープが張ってあって、入れません。どうやら、有名なオルガンは、下写真の、祭壇の右上方のバルコニーにあるようです。

こんな看板まであって、大々的に宣伝しているのに、ロープのせいで前に進めずに、結果オルガンは見えません。有料なのかなあと思って、入口にいた人に聞いてみます。ちょっと、あのオルガン見たいんだけど。と言ってみたところ、「フォローミー」と言って、見えるところまで連れて行ってくれました。親切な人でした。

これがそのモーツァルトが弾いたとされるオルガンのようです。

さて、続いては、チェコビーズのお店に行ってみます。チェコはガラス製品が有名です。とはいえ、ガラスの花瓶や食器だと、重たいし、割れるかもと思われてる方には、お土産として、ガラスボタンという手もあるかと思います。立ち寄ったのは、StarBEADSいうお店。近くまで行くと、「スタービーズ」と日本語の看板があります。

これがお店の入り口です。かなり狭いお店です。実は、オーナーが日本人の方のようです。

こんな感じで並べられておりますので、このなかからお気に入りのボタンを選んでいくといいと思います。相場感としては、1個70~90チェココルナだったと思います。ゼロひとつとって、半分弱なので、3ユーロとか4ユーロとかでしょうか。

このほか、この近くに、ガラス製品のお店ばかり入っている、ちょとしたモールがありました。google mapでは、Crystal Dana Bohemia Pragueというお店のあたりです。

旧市街のお土産屋より、(同じ製品でも)安い価格になっていたと思います。また、びっくりするくらい高いものあります。製品によって、かなりの価格差があるようですが、素人の私には、その差が何のかはよくわかりません。ボヘミアンガラスなのか、そうでないのか、とかでしょうか。私には、ボヘミアンガラスと江戸切子がだいぶ同じように見えてしまいます。

夜ご飯を食べるために、Potrefená Husa Národníというお店にやってきました。ここでチェコ料理を頂くことにします。

このメニューにある、PIGLET KNEE(395チェココルナ)を注文します。これが、チェコ料理として有名な「ポークロースト膝」になります。

写真だとわかりづらいですが、めちゃくちゃ大きなものが出てきました。確かにメニューには0.6kgと書いてあり、そのとおり、偽りはなさそうです。真ん中にふっとい骨があり、その周りに肉がついているという、漫画で原始人が食べるタイプのお肉の塊です。これにナイフを入れてみると、ほろほろと取れる、という表現が最も適切な感じです。見た目ほど食べにくくはないです。そして、味は、中まで染みわたっていて、大変美味しいです。一人では多過ぎて、食べきれないくらいだと思います。これで、約400チェココルナなので、ゼロ一つとって半分弱(0.4掛け)ですので、16ユーロくらいでしょうか。お得な気がします。

続きまして、プラハ城に向かいます。といっても、もう夜なので、有料ゾーンには入らず、無料で入れるエリアをふらふらします。プラハ城へ登る階段を登り切ったところで、プラハの夜景を撮影してみました。

プラハ城といっても、いわゆるキャッスルがそびえているといったところではありません。丘のうえに、宮殿や教会、庭園など(美術館もある?)などが一体となっているエリア全体を、プラハ城と呼んでいます。そして、有料ゾーンとは、それらの中にも入れるということです。私は、宮殿や教会は外から見るだけで十分なので、夜行ってみることにしました。このエリアに入るだけなら無料です。ただし、無料ゾーンと言えども、このエリアに入るためには、セキュリティチェックはありますので、ご注意ください。
おそらくこのプラハ城の中心となる、聖ヴィート大聖堂を撮影してみました。とにかく大きくて、写真に収めるのが大変です。夜の聖ヴィート大聖堂も美しいですよね。ようやく(悪役ではなく)主人公が住んでいそうなところに辿り着けました。

プラハ城を後にし、またカレル橋付近まで戻ってきました。下写真は、カレル橋の、プラハ城サイドにある塔です。これなんか、もはやテーマパークの世界に紛れ込んでしまったかのような景色です。

カレル橋から見る、プラハ城の夜景です。

本当に、プラハは、夜も美しい街です。再び旧市街広場(天文時計のあるところです)に戻ってきました。奥には聖母教会が、ライトアップされていて美しいんですが、うーんどう見ても、やっぱり正義感溢れる塔って感じはしないです。けど、これはこれで美しいです。

翌朝、天文時計がある塔、つまり旧市庁舎の塔に登ることにしました。天文時計の左側にあるこの赤い建物から入ります(または、この赤の右にある建物からも入れますが、結局中で、コの字になっていて繋がっています)。赤い建物から入ったほうが、チケット売り場がわかりやすいと思いますので、そう書きました。

朝来たのは、理由があって、オープン後1時間内は、半額になる(下の看板にアーリーバード割引と書いてあります)ためです。したがって、本来は250チェココルナが半額になるということです。

また、エレベーターで上がるためには、別途料金がかかります(100チェココルナ)。私は歩きましたので、歩きの目線からのレポートになります。
下写真のように、真ん中にエレベーターがあり、まわりに階段が配置されているという作りです。歩きはそこまでハードではありません。

登りの最後、少しだけ狭い階段になります。ここは、片方通行になりますので、手前のこの信号機の指示に従ってください。青になったら、進めます。

最上階からの景色になります。例の聖母教会が綺麗に見えます。ここからの景色としては、プラハ城は少し遠目になりますので、プラハ城を撮るなら昨日の橋塔がいいと思います。朝登るのは、人も少ないですし、割引がありますし、空気も澄んでいていい写真がとれますので、お勧めだと思います。

昨日は、ガラスボタンとガラス製品のお店を見ました。そのほか、チェコと言えば、マリオネットが有名です。マリオネットを扱うお店も何軒かありますので、お土産として見てみてはいかがでしょうか。

そして、宝石類としては、この街ではガーネット、モルダバイト、アンバー(琥珀)が中心の品揃えです。うち、アンバーはおそらくポーランドが有名だと思いますので、チェコで買うなら、ガーネットかモルダバイトかなあとは思います。宝石屋は街の至る所で見かけました。

ガーネットとモルダバイトはどっちが高いの?と聞いたところ、ほぼ同じような相場感のようでした。これはもう好みですね。
実は私は以前、この街でモルダバイトを購入したことがあります。そのときは、ちゃんと証明書を発行してくれるお店でした。偽物をつかまさせる可能性もありますので、多少高くてもしっかりしたお店で買ったほうがいいと思います。
参考までに、(あまり個別のお店を載せていいのか、よくわかりませんが、あくまで宣伝の意味合いではなく、私の経験談ということとして)ERPETいうお店で、私は購入しました。このお店は天文時計の前にあります。Google mapで見たら、少し違うところにピンが立ちますが、天文時計の前で間違いありません。スタバの(狭い道を挟んで)向かいといいますか。ここには、日本人の方がいらっしゃって、いろいろ教えてくれました。そして、ちゃんと証明書をつけてくれたので、大丈夫だと思います。外からは高級そうなお店なので、最初は入りづらいかもしれません。

以上で、今回のプラハは終わりです。次なる目的地のウィーンに向かいました。②ウィーン編に続きます。