ベルニナ急行に乗ってブルージオのループ橋を見に行く。②ベルニナ急行乗車編
ベルニナ急行は、クールが始発なので、まずは間に合うようにクールへ向かいます。8:32発なので、少し朝は早くなりますが、チューリッヒからは無理な時間ではありません。
8時頃にクールに到着。クールには日本語の駅名看板も。もはやアウェイ感はあまりありません。

今日は10番線からの発車です。グレッシャーエクスプレスのときは、ホームに案内係の人がいて案内してくれましたが、今回はいません。そのかわり、乗り場を表すボードが設置されています。このあたりも、グレッシャーエクスプレスは、食事をサーブするサービスも含めて、少数のお客さんに対して手厚いサービスをして旅の特別感を演出する、という姿勢が感じられ、一方のベルニナ急行は、よりたくさんのお客さんを回す(そのかわり景色が最大のサービス)といった違いが感じられます。別に悪いこととは思いません、むしろ、私はそのほうが心地がいいです。正直いちいち人と会話しなくてもいいので。私、コミュ障でしょうか、いや、きっと多くの日本人は、同じ感覚だと思います。

なので、誰とも話さなくても、乗り場はわかりますので、心配はいりません。
始発だけあって、ホームに観光客はたくさんいます。8時12分、つまり30分前に入線してきました。チューリッヒ方面からの入線です。電車はそのままの方向に出発することになります、折り返しはしません。景色がいいのは右側ですので、この時点で、できれば進行方向右側であればベターということになります。

丸ノ内線だったか、東京モノレールだったか、こんな感じの赤地に白のラインの車体を見たことあるような。。遠い幼い頃の記憶がよみがえります。そんな赤い車体が、今風に窓の上方の丸みを帯びたラインになっています。なかなか格好いいです。このガラスのカーブ具合、匠の技感が感じられます。きっと難しい技術なんだろうなあと思ったり、と、明らかに当時の子供の頃の自分とは違う視点になっています。成長したということでしょうか。

早速乗り込みます。外で写真を撮っていたため、一番乗りは失敗しました。

座席はこんな感じです。

日よけのカーテンもついているようですが、あきらかに日本人には手が届かない高さです。

そんな疑問も、解消されました。どうやら、テーブルについているボタンで自動で巻き上がったり、下がったりします。そのボタンはこちら。

と、ここまでは、満足のいく座席ですが、一点大きな問題点を発見しました。
コンセントプラグがどこにもありません。この手の電車では、ちょっと珍しいかも知れません。
後で途中でトイレに行ったときにわかったのですが、トイレの前のちょっとしたスペース(乗降口のスペース)に、足元のあたりに、一か所だけコンセントプラグがあるようです。外人が、地べたに座りながら、スマホを充電している姿を見ました。外国ではよく見る、あるあるな光景です。そうならないように、予備バッテリーは持参したほうがいいでしょう。この後絶景が続きますので、スマホの充電はすぐになくなってしまう恐れありです。
さて、いよいよ出発です。定刻(8:32)に出発しました。
結局、私の周りには誰も乗ってこなかったので、一人でボックス席を独占することができました。これはラッキーです。他の席は、ボックス単位で見ると、全て埋まっていて、それぞれのボックスのなかでは、3人だけだったり、と仲間うちで一つのボックスを使うといった感じになっているようでした。
出発早々検札が来ます。プリントアウトした紙を見せたら、こんなふうに印をつけていきました。ということは、プリントアウトして持参したほうがよさそうです。

クールを出発して、30分後くらい、Tiefencastel駅とFilisur駅の間で、最初の見どころであるランドバッサー橋を通ります。その手前で放送が入ります。その後トンネルをくぐって、抜けたらすぐに橋です。窓の中からの撮影なので、朝の日差しと相まって、あまりいい写真は撮れませんでした。難しいですね。

ただですね、今回の旅は、行きと帰りを同じ経路を辿る行程になっています。ということは、行きがだめでも、帰りにいい写真が撮れる可能性がまだあるということなんです。チャンスは二度あると思えば、気持ちは楽ですね。行きと帰りが同じ経路なのはちょっとなあと思われる方もいるかもしれませんが、ものは考えようということです。写真はへたくそですが、ここも進行方向右側が内になるようにカーブしているという点を付記しておきます。
このあたりで、車内販売がやってきます。コーヒーやスナックだけでなく、お土産も売っています。車内で売っているおみやげはこちら。

グレッシャーエクスプレスと統一感があるのは、唯一、マグネットのようです。実は私、いろいろと収集癖がありまして、マグネットもそのひとつなのですが、先日、グレッシャーエクスプレスに乗ったとき、私が集めている他のマグネットと風合いが違ったので、買いませんでした。が、そこで買っていれば、今回のベルニナ急行とセットみたいになるので、ちょっとショックでした。が、時すでに遅し。後戻りはできませんので、ここでもマグネットはパス。このあと、グレッシャーエクスプレスに乗ることを考えている方で、私のような収集癖がある方は、私のような失敗はしないように、ここではマグネットを買っといたほうがいいと思います。
私は仕方なく、ぬいぐるみを買いました。21CHFです。グレッシャーエクスプレスのときは、マグカップを買いましたので、いまいち統一感はありません。

リスト右下のチョコレートも気になって、見せてくれとお願いしたところ、実は後でお土産として、お客さん全員に無料で配布する予定だから、今は買わないほうがいいよと言われました。優しい女性店員さんです。実際、後で、Alp Grüm駅を過ぎたあたりで、このチェコレートとアイスティーが無料で配布されました。チョコレートの箱は、缶です、紙ではありません。箱だけでも記念になりそうです。特別料金(指定料金)としては、26CHFしか払っていないのに、9.5CHFのチョコレートをくれるとは、なかなかの大盤振る舞いです。

そうこうしているうちに、どんどんアルプスの山々が近づいてきます。


真っ青な空に、木々の緑、雪を被ったアルプスの白のコントラストがとてもきれいで、景色を見ているだけで癒されます。
車内の様子はこんな感じで、皆さん、歓声があがったり、写真撮影に忙しそうです。

はっきり言って、ここらへんでも十分絶景なのですが、列車はまだまだ上がっていきます。

ベルニナアルプスが近づいてきました。こんな絶景なのに、これ登山鉄道じゃないんですよ、一般の列車が往来する路線です。こういうのって、登山鉄道に乗って見れる景色だと思っていました。意味がよくわからなくなってきました。

なんとも不思議な色をした湖まで登場してきました。ラゴ・ビアンコと言うそうです。

このあたりの絶景は、ずっと進行方向右側に続きます。
このあたりは、ピッツベルニナを筆頭に、ベルニナアルプスの名峰が目白押しで、Google Mapを見ながら、山座同定(※登山用語で、展望できる山の名称を明らかにすること)に大忙しです。まさかこんなに見えるとは。感動です。仮に、同席者がいても、はっきりいって、気にならないくらい忙しいです。
正面に見える氷河もなかなかすごいです。

Alp Grüm駅で、約10分間停車して、皆さん、写真撮影タイムです。この駅もなかなかの絶景ポイントです。よく見ると、こんなところにも、日本語の駅名看板が。

皆さん思い思いに近くを散策しています。

駅からの絶景。湖のエメラルドグリーンが素敵ですよね。ようやく窓ガラス越しではない景色写真が撮れました。

Alp Grüm駅を出発すると、電車はどんどん下っていきます。下った先のほうに湖(ポスキアーボ湖)が見えます。目指すブルージオのループ橋はその湖の先になります。

ポスキアーボ湖を超えてしばらくしたら、いよいよブルージオのループ橋に差し掛かります。やはり、右側を内側にしてカーブします。つまり、車内から撮影する場合は、右側座席が有利です。まずは車内からの撮影です。

だめです、全然思うように撮れません。しかも、いくら減速してくれていると言っても、それでもやっぱり速いです。納得できません。
列車はほぼ定刻で、ティラーノ着は、12:49予定。そして、13:00発の普通列車に乗ってブルージオに戻ってくることは可能です。ティラーノのひとつ手前のCampocolognoには、12:41着予定。結局ティラーノを13:00に出た普通列車を13:08に捕まえる形になります。迷ったのですが、車内からのループ橋撮影の納得のいかなさから、すぐにでも舞い戻りたい気持ちが先にたち、Campocolognoで降りてしまうことにしました。調べたら、Campocologno駅からは歩くと40分。そのほかバスもありそうだったので。まずは、降りてから、①普通列車を待ってブルージオ駅まで行くか(ただし、ブルージオ駅からは10分くらい歩く)、②バスで行くか、③歩くか、の中から、まずは落ち着いて考えようと思い、Campocolognoで降り立ちました。ちなみに、この駅で降りている人は、私一人でした。ほとんどの人はティラーノに行くんですね、初めて知りました。私は、ここで、ベルニナ急行とはお別れです。
3.ブルージオのループ橋編に続く。