ゲルマーバーンに乗ってゲルマー湖へ
2022年7月中旬に、スイス中央部にあるゲルマーバーンというケーブルカーに乗って、ゲルマー湖の周りを散策してきました。このゲルマーバーン、少し変わったケーブルカーだったので、今回情報共有させて頂こうと思います。何が変わっているかと言いますと、まずかなりの急勾配であること、そして、トロッコのように剥き出しになっているということです。これらのことが合わさって、まるでジェットコースターみたいと、巷では言われているようです。早速、体験してきました。
この記事の対象者は、
ゲルマーバーンというのを聞いたことがあって興味はあるが、以下のことがよくわからなくて躊躇されている方。
・チケットは予約必須か?また、予約方法は?
・高所恐怖症でも大丈夫か。
・上った先には何があるのか?娯楽施設はあるのか?
・実際に乗っている時間はどれくらい?
・ゲルマー湖を1周したいと考えているが、1周の所要時間は?(=下りのチケットは何時間後のをおさえておくべきか?)
・ゲルマー湖1周歩く場合、装備は?
・車で行く場合、駐車場の心配はないのか?
等々です。
ゲルマーバーンというのは、ベルン州のマイリンゲンから南のほうへ入っていったところに存在します。ざっくりと言うと、インターラーケンやブリエンツのほうから、グリンデルワルトではなく、もっと東のほうからアルプスに入っていく途中にある、という感じです。地図で見ると、アルプスのど真ん中という感じに見えますが、実際、車で行くと、ゲルマーバーンまでは道はさほど険しくないです。

さて、チケットについてですが、これは予め予約必須です。なぜならば、運行本数が限られているうえに、その1本に乗れる人数に限りがあります。1本に24人までしか乗れません。行ってみてわかりましたが、線路は1本のみで、すれ違い箇所は無し。つまり、1車両が上がったり下がったりしていて、増便は絶対にありえません。したがって、一日の席数は限りがあります。必ず予約してください。登り下りともに、です。予約は、下記のサイトから行います。
https://www.grimselwelt.ch/en/railways/gelmerbahn/
Buy Ticketsに入り、Gelmerbahn return(つまり往復)を買ってください。登りだけでなく、下りのチケットもここでおさえることになるのですが、まず、この画面。出発時刻しか書かれていなくて到着時刻がないので、最短で(仮に上がってすぐ下りる場合)下りはどのチケットをとればいいのか、まず迷われると思います。
この点については、私の実測によると、所要時間は10分です。これを、予約画面の運行スケジュールにあてはめると、こういった動きになります。1本でやりくりしていますので、仕組みは簡単です。つまり、本当に時間がなくて、乗るだけ乗って、すぐに下りてきたいという方は、12分後の下りを買えばいいということになります。まあ、それはさすがに勿体ないとは思いますが。

では、上で、もしゲルマー湖を1周するハイキングを楽しむ場合は、どれくらい後の下りチケットをおさえておけばいいのか?それについても、私、1周してきました実測によると、約2時間です。あ、私は平均的人間なので、さほど健脚ではありません。実は、私は約2時間後の下りのチケットを持って、ゲルマー湖1周に臨みましたが、途中時間がなくなってきて、少し焦りました。2時間だけだと、不安です。3時間みておけばよかったと思いました。ですので、もし、上にあがって、ゲルマー湖1周のハイキングを考えている方がいらっしゃれば、3時間ないしは4時間後の下りチケットをおさえるといいと思います。
価格は、大人1名で片道18スイスフランで、往復36フランです。Half fare Cardによる割引はありません。これも行ってみてわかったのですが、このゲルマーバーンは、いかにもSBBの息がかかっていなさそうな感じで、そりゃあSBBの割引ないよな、と妙に納得できる感じです。
ここまでが準備段階です。チケットは印刷して持っていきますが、その使い方も後ほどご説明いたします。
さて、当日。私は車でゲルマーバーンの駐車場を目指しました(下のマップで言うところの、第一駐車場)。

この第一駐車場からゲルマーバーン乗り場までは、最初に川を渡って、その後、約5~6分くらい歩くことになります。
まず、恒例の、この第一駐車場のチェックです。
①アプローチの容易性 ★★★
ここに至るまでの道は、特に狭いところもなく、快適に運転できます。最後、この駐車場の入り口が、カーブを過ぎて突然現れる感じなので、少しわかりにくいかなとは思いました。看板も下写真のように地味なので。カーブを抜けて、あれ、これか、という感じで出現します。ただ、ここまでは走りやすい道で、しかもその主要道路沿いなので、評価は特に落とさずでいいと思います。

この看板のところを左に入りますと、こんなスペースになります。ここが第一駐車場です。50台くらいの駐車スペースでしょうか。これは朝9時前なので、ガラガラです。が、午後は、、というのは、⑤空き具合のところで説明させて頂きます。

②移動の容易性 ★★★
移動の容易性とは、駐車場で車を置いてから目的地までのアクセスをいつも評価しますが、こういった専用駐車場は、アクセスが良くて当たり前ですよね。一応ここは、ゲルマーバーン用の駐車場という位置づけです。ここからゲルマーバーン乗り場までは徒歩5~6分です。下写真の橋を渡って進んでください。その後左に曲がって進むとゲルマーバーン乗り場です(上のほうに貼った地図も参考にしてください)。

ちなみに、橋のたもとにある、この先「P」のマークは、第二駐車場のことを指しているものと思われます。今立っている場所が第一駐車場で、ここが一杯だったら、車でこの狭い橋を渡って、第二を目指すということになります。
③安全性 ★★★
ここは、そもそも来ている人たちが観光客なので、何も問題はないと思います。
④支払い・料金 ★★★
料金は無料です。特にパーキングディスク(っていうんでしたっけ?青くてダッシュボードに置くやつで、駐車した時間を表しておくもの)も、ここでは必要ありません。
⑤空き具合 ★☆☆
これは、第一駐車場の話に限れば、昼頃に到着するスケジュールであれば、停められないでしょう。私が戻ってきた12時頃には満車でした。ただ、その場合は、第二駐車場へ進んでください。上の写真の狭い橋を渡って、右方向へ向かいます。第二駐車場と言えば聞こえはいいですが、ただの道沿いの野原です。

手前でこそ、車が埋まっていますが、先のほうにいくと、こんな感じで草の上の停める形になります。これが第二駐車場ということです。先に掲載した地図には、「道沿い」という意を込めて、地図上では赤い楕円形で囲ってみました。

結論をいうと、駐車場の心配はないと思います。
さて、第一駐車場を出て橋を渡り、左へ曲がった道を登っていくと、ゲルマーバーン乗り場に到着します。ちなみにここにはトイレはありません。この手前にある仮設のようなトイレをご利用ください。

私は、既にチケットを印刷して持っていたので、安心してこの「EINGANG」(ドイツ語で「入口」の意味)で並んで待っていたのですが、それは正解ではなかったようです。
正解は、印刷して持ってきたチケットは、この建物の受付で、こんな感じでパウチされた手作り感満載のチケットと引き換えることになります。往復なので、本来は登りと下りの2枚渡されるはずでしたが、(この仕組みを知らずにただ待っていたため)私が引き換えたときは出発時刻ぎりぎりになってしまったため、登り用はもらったけどすぐに渡した形となり、結果として手元には下り用の1枚しか残らなかったので、写真はこれのみです。本来は往復分2枚もらえます。

ゲルマーバーンの線路です。ずっと上のほうまで登っていく感じです。実はこの写真、よく見ると上のほうに、下ってきているゲルマーバーンが見えます。

ゲルマーバーンがやってきました。これに乗り込みます。確かに4人掛け×6列で、最大24人迄しか乗ることができないようです。

私、登りは一番上側の席、下りは一番下側の席に座りました。最上と最下の席に乗ってみた感想として、高所恐怖症の方は大丈夫なのか、という点につきましては、一番下側の席でない限りは、大丈夫だと思いました。一番下の席は、真下が見えて、少し怖いです。が、それ以外(つまり真下が見えない限りは)は、そこまで怖くないと思います。
これは、下りのときの先頭の席からの景色です。スピードは速くないですが、真下が見えて、ちょっと怖いです。

横を見ている分には、とても気持ちいいです。このように、安全バーがちゃんとあります。

頂上の駅は、ゲルマー湖という駅で、標高1,860mです。7月でも少し寒かったです。上着は持って行ったほうがいいと思います。

このゲルマー湖はどういうところかといいますと、ターコイズブルーの水を蓄えたきれいな湖があり(ブリエンツ湖よりは乳白色がかっていない感じ)、まわりの山々も美しい景色が広がっています。しかも、ほとんど人がいないです。でも、よく考えたら、1本に24人までしか乗って上がってこれなくて、しかも、早く来た人は早く下りていくわけですし、最大でこの広大なエリアに200人もいたらいいほうだと思います。とにかく人が少なくて静かなところです。

もちろん、娯楽施設のようなものはありません。自然だけです。一応トイレは1か所あります。駅を出て湖に向かって歩いていき、右のほうへカーブしていった先の建物です。この建物です。

湖の周りがハイキングコースになっていて、私も1周歩いてみることにしました。水も近くで見ると澄んでいて大変綺麗です。

途中、このような滝のようなところも通りました。私、このあたりで、靴が濡れてしまいました。スニーカーで行ったのですが、もっとちゃんとした靴(登山靴のような)で来ればよかったと少し後悔しました。濡れることもありますし、結構岩もごろごろしています。できればしっかりとした靴で行かれたほうがいいと思います。

実は途中から時間がなくなってきて、少し焦りました。湖を一周するつもりの方は、下りのチケットは、少なくとも3時間は見ておいたほうがいいです。私は2時間しかなかったので、最後急ぎ足になってしまいました。

こんな感じのところをハイキングし、帰りも同じゲルマーバーンに乗って(乗るときに先ほどのチケットを手渡します)、下山しました。
このゲルマーバーン、夏の間(確か6月~10月だったと思います)だけの運行となります。
よろしければ、参考にしてください。では、また。