チューリッヒからミュンヘンへの車でのルート考察、およびオーストリアで車を運転する際の注意事項
前回の記事にて、ドイツへ車で行く際の注意点を書かせて頂き、そのなかで「初めての国を車で訪れるときは、1.Vignette(ヴィニエット)、2.Low Emission Zone をまずは調べるようにしてください」と結ばせて頂きました。今回は、その実践編のような位置づけとなります。実際に、2022年7月中旬に、チューリッヒからドイツのミュンヘンへ車で向かいましたので、前回の話を踏まえて、じゃあ実際にどのように対応していけばいいのか、具体的にイメージを持って頂けるように、お話ししていければなあと思います。さらに、ミュンヘンの駐車場情報、その他、一般的な日本人の方々が興味を持っていらっしゃるであろうことを調べてきましたので、最後までお付き合いくださればと思います。
この記事の対象者は、
スイス・チューリッヒ方面からミュンヘンへ車で移動しようと思っているが、以下のことが不安に感じている方。
・ボーデン湖の北回りルートをとるべきか、南回りをとるべきか迷っている
・南回りの場合、少しだけオーストリアを通過することになるが、注意すべきことはあるか
・ミュンヘンのLow emission zoneってどうなってるの?
・ミュンヘンへ行くにあたり、おすすめの駐車場は?
また、ミュンヘンでは、リモワのスーツケースを安く買えると聞いたことがあり、少し気になっている方。(一応、2022年7月時点での情報を調べてまいりました。)
今回の題名は、「チューリッヒからミュンヘンへの車でのルート考察、およびオーストリアで車を運転する際の注意事項」とさせて頂きましたが、実際のところ、お伝えしたいことはたくさんあります。大きくわけると、4部構成です。1.チューリッヒからミュンヘンへの車でのルートどりについて、2.オーストリアで車を運転する際の注意事項、3.ミュンヘンの駐車場情報、4.その他情報(リモアのスーツケースについて)となります。
1.チューリッヒからミュンヘンへの車でのルートどりについて
今回は、チューリッヒ→ミュンヘンの例を書きますが、目的地がミュンヘンではなくノイシュバンシュタイン城でも同じ話となります。まず考えなくてはならないのは、スイスとドイツ、オーストリアの国境にまたがるバーデン湖をどのように避けるのか、ということになろうかと思います。考えられるルートは、1つは、バーデン湖の北側ルート(①)と、もうひとつは、南側ルート(②)です。
①北側ルート

②南側ルート

①の北側ルートは、実はバーデン湖の北側はずっと一般道路を通ることになるため、時間はかかります。おそらく30分~1時間は南側ルートのほうが早いです。とにかく早さを追及する場合は、南側ルート1択です。それならば、わざわざここで話題にする必要ないじゃないか、というお叱りを受けそうなのですが、この南側ルートのボーデン湖の右端を拡大します。実は、少しだけなんですが、オーストリアを通過することになります。

このオーストリア区間、ほんの少しですが、高速道路も走ります。というわけで、そう、前回お話させて頂いた「初めての国の場合は、1.Vignette(ヴィニエット)、2.Low Emission Zoneをまず調べる」という鉄則がここで効いてきます。こういったちょっとの通過でも、しっかりケアすることが大切です。
私は今回、南側ルートを選択しましたので、オーストリアでの運転の注意事項として調べた結果や、実際の対応方法を、次の項で後述します。
ちなみに、北側を通ることなんてあるの?という疑問もあるかも知れないですが、実際、私はコロナ期間中は、(国によって入国制限が違ったりするので)できるだけ跨ぐ国を減らしたいとの思いから、あえて北側を選択したこともありました。あとは、この後お話するVignette(ヴィニエット)がお金がかかるし、面倒くさいという方でしょうか。
が、今はコロナによる入国制限もほぼないに等しいので、基本は、南側を選択すべきかとは思います。
2.オーストリアで車を運転する際の注意事項
さて、それでは、南側ルートを選択した場合の話に移ります。まずは、新しい国(今回のケースではオーストリア)では、「①.Vignette(ヴィニエット)、②.Low Emission Zoneを調べる」でしたよね。早速実践してみます。
①.Vignette(ヴィニエット)
オーストリアの高速道路は、ヴィニエットが必要です。高速道路に乗る前に買って、フロントガラスに貼っておかなくてはなりません。
ここが公式ページになります。
https://www.asfinag.at/en/toll/vignette/
2022年7月現在の価格は、普通車の場合、10日間で9.6ユーロ、2ヶ月で28.20ユーロ、その他1年物もあるようです。これを、オーストリアの高速道路に乗る前に購入し、フロントガラスに貼ることになります。このページのなかには、貼る位置まで書いてあります。指定された場所に貼ってください。(下記の写真の位置のどちらでもいいです、or ですので。)

また、どこで購入するかについても、同じサイトのなかをよく見ていくと、載っています。基本的には、ガソリンスタンドで購入するのが一般的です。心配な方は、予めこのページで調べておくといいと思います。真ん中あたりのMAPタブで切り替えると地図表示されます。
私は、スイス・チューリッヒ方面からアプローチしましたので、途中のスイスの、Thurau Süd というサービスエリアで購入しました。私と同じルートで行かれる方は、(ぎりぎりまで行かずに)このサービスエリアで買ってしまうのが便利かと思います。Wilという街の近くです。このサービスエリアで買えます。

私は、今回、2ヶ月用を購入し、早速貼りました。ヴィニエットとは、こんな感じのものです。購入時には、特に車の登録証(日本でいう車検証のようなもの)などを見せる必要はありません。レジに行って、ヴィニエット フューア ウーストライヒ, ビッテと言うと、10日用?とか聞かれるだけです。格好つけてドイツ語で言ってみましたが、国名は「オーストリア」で全然通じます。

②.Low Emission Zone
もうひとつ調べなくてはならないことは、Low Emission Zoneです。調べると、オーストリアでもLow Emission Zoneはウィーンやグラーツなどの大都市などで、確かに存在するようです。が、2022年7月時点の情報によると、まず、車の種類を、カテゴリー分けしていて、普通の乗用車は、Mカテゴリーとされています。いわゆる商用車がNカテゴリーで、現在のところ、このNカテゴリーのみが規制の対象になっているようです。Mは、いまのところ、規制の対象にはなっていないようですが、いかにも、過渡期という感じで、この後、規制を厳しくしていこうという意図がひしひしと感じられます。これは、今後旅行される方は、最新情報を取得するようにしたほうがいいと思います。ちょっと話は逸れてしまいましたが、今回通過する予定の区間は、そもそもLow Emission Zoneではないので、特に心配は無用です。(ヴィニエットだけは必要、ということです)
以上が、オーストリア走行の際の注意事項でした。繰り返しになりますが、北側ルートを辿る場合は、そもそもオーストリアは通りませんので、この事前確認作業は不要です。
3.ミュンヘンの駐車場情報
さて、この後、オーストリアの高速道路、そしてドイツの高速道路を気持ち良く走って、ミュンヘンへ向かうことになりますが、ここで、もうひとつ、もしドイツの環境適合ステッカーを貼っていない方は、ドイツ・ミュンヘンのLow Emission Zoneを把握しておく必要が出てきます(詳細は前回の記事をご覧ください)。はじめに申し上げておきますと、ミュンヘンにもLow Emission Zoneは存在します。下が、ミュンヘン市の公式ページからの抜粋です。
https://stadt.muenchen.de/infos/munich-low-emission-zone.html

簡単に言うと、この緑色のゾーンには、No Sticker, No Entryということです。入ったら罰金のリスクありです。一応今回は、スティッカーなんてつけてないよ、という方に向けて、Low Emission Zoneの外側の駐車場を利用してきましたので、よかったら参考にしてください。
私が今回利用した駐車場は、P+R Tiefgarage Mangfallplatz というところです。上の地図と重ねて頂けるとおわかり頂けると思いますが、Low Emission Zoneの外側になります。

ここでも恒例の駐車場チェックを行います。私の独断と偏見による独自の評価です。
①アプローチの容易性 ★★☆
スイス方面から来る場合、上の地図でいうと、左のほうからのアプローチとなり、一旦、環状線を通ることになるのですが、この環状線が結構混んでいたりと、運転はしにくいかもしれません。最後の入り方は、一旦信号を脇道に右折して(すぐ下の写真のP+R看板が目印です)、そうすると、すぐに右側に入口が見えます(更に下の写真)。地下に下りていく形になります。


②移動の容易性 ★★★
この駐車場は、地下鉄のU1のMangfallplatz駅に直結していて、市内へ出るのに非常に便利です。このU1はここが始点のようです。電車もすぐに来ました。結構本数はありそうです。
駐車場全体は縦長の形状で、先に進んでいくと、そのまま下記のように駅に突き当たります。この奥、エスカレーターがあって、すぐ下が駅です。

切符売り場の自販機は左側にあります。こんな感じで日本語対応していました。なんとも、らくちんです。人によりますが、1日乗車券を買っておけば間違いないのではないでしょうか。ゾーンは、普通に市内にいく場合(ほとんどの場合)は、Mゾーンでよいかと思いますが、それは行き先によりますので、ご注意ください。ゾーン分けの写真を撮ってくるの忘れました、すいません。それから、切符購入後は、打刻はお忘れなく。

打刻はこの機械で。ここからHauptBahnhof(中央駅)へは、乗り換えなしで、11分です。

そういえば、言い忘れました。ミュンヘンでは2022年7月現在も、公共交通機関に乗るには、マスク着用です。FFP2マスクです。ここに着いて、マスク持ってきていなくて地下鉄乗れない、ということのないよう、マスクは携行するようにしてくださいね。(現時点での話です)
③安全性 ★★★
まず、地下駐車場ですので、安心感はあります。それから、一応確認のために、外に出てみましたが、周囲の治安も良さそうなところです。落書きとかもあまりありませんでした。私ミュンヘン市内の治安マップのようなものは頭に入っていないのですが、肌感覚で、このあたりは住宅地で治安は良さそうとは感じました。(安全性については、絶対はないので、あくまで自己責任でお願いします)
④支払い・料金 ★★★
なんと、1日とめて、1.5ユーロです。安い。支払い方法も、入口ゲートで発券して、帰りに駅のところにある精算機で精算するというシンプルでわかりやすいものでした。機械も新し目です。

⑤空き具合 ★★★
これも、大満足です。実は、私はここに停めたのは初めてではないのですが、前回も今回もガラガラです。確か前回も土曜日、今回も土曜日です。下記写真のごとく、果てしなく空いているイメージです。

下の写真は、駅に向かって撮りました。このつきあたりが駅です。さすがに駅の近くは停まっているようです。駅の近くは、女性専用になっていますので、ご注意ください。逆にこのあたりの気遣いもいいですよね。

4.その他情報
最後に、せっかくミュンヘンに来たので、多くの日本人の方が気になるであろうリモワのスーツケース情報を確認してきました。
「ミュンヘンといえば、リモワのスーツケースが安く買える街」として、日本人や韓国人の間では有名な話だと思います。私は日本での価格を詳しく知りませんが、おそらく今は円安の影響を受けて値上がりしているんじゃないかと想像できますし、ミュンヘンで買ったほうがおそらくは安いんだと思います。ただ、日本との比較は正確にはわからないので、あくまでミュンヘンで買った場合は、何ユーロか、を調べてきましたので、それをもって、皆様が判断して頂ければと思います。
まず、「ミュンヘンで安く買える」を正確にいうと、「ミュンヘンに安く買えるお店がある」となります。ミュンヘンだったら、どこでも安いわけではありません。
お店の名前は、Lederwaren Hetzenecker というカバン屋です。ミュンヘンの中心部に4店舗あります。リモワだけでなく、他のメーカーの商品も扱っているお店です。
まず一番わかりやすいところでは、カールス広場に面したところにあります。

つぎに、ここからマリエン広場に向かって歩いていく途中、左側にあります。隣にバイエルン・ミュンヘンのオフィシャルショップがあるのが、なかなか熱いですね。

さらにマリエン広場を超えた先にも、あります。思ったよりも、離れています。

最後、今までの直線ルートからは外れますが、アザム教会の近くにもあります。

これらが、Lederwaren Hetzeneckerの4店舗です。すべて回って、見てきましたが、結論をいうと、基本的には価格は同じです。取り扱っている(リモワの)アイテムも同じと言っていいと思います。モノによっては、「これはうちは在庫があと1個だ」とか言われたりしましたが、そういうたまたま在庫が欠ける等はあるかもしれませんが、基本的には同じ品揃え、同じ表示価格です。
割引体系もどこも同じです。すべての店舗で共通していて、まず、表示価格から10%オフになります。そこから、もし現金で買う場合は、更に10%オフ or クレジットカードだったら5%オフ、ということになります。そして、ドイツ国外の方は、そこから免税を受けることができるという仕組みです。店員さんは、免税は11%だと言っていましたが、中間業者(グローバルブルー等)の手数料とかもありますし、どうなんでしょう。約10%でみておけばいいのかなという感じですかね。
私は、Classic CabinのSサイズに興味があったので、みてきたところ、33Lで表示価格930ユーロ。これを先ほどの式に当てはめますと、930×0.9=837、更に現金で買ったと仮定して、837×0.9=753.3。ここからもし免税できれば、さらに×0.9で、678ユーロくらい、となります。

同じくClassic CabinのSサイズですが、少しだけ分厚くなるタイプ、36Lで表示価格970ユーロでした。ただ個人的には、リモワのこのタイプは、スーツケース自体が重たいので、33Lのほうがいいかなという気はしています。(つまり、たくさん入る=更に重くなる、機内持ち込みの重さ制限でひっかかる可能性がある。逆にいうと、ひっかからないようにするためには、びっしり詰め込めこむことができずに、結果、中身がガタガタしてしまう、という意味です)

違うタイプの、なんていうシリーズかわかりませんけど、ラグジュアリーな感じのタイプ(シャンパンゴールドのやつ)はSサイズで、表示価格920ユーロ。ここからの割引スタートになります。これも同じSサイズで厚さ違いがもう1タイプあったと思います。基本的にはClassic Cabinと同じような価格体系です。

上と同じシリーズで、こんな青いのもありました。これ持ってたら、ランバ・ラルのように「ザクとは違うのだよ、ザクとは」と言いたくなりますよね。Sサイズで、表示価格920ユーロからのスタートです。

ここまでは、高価格帯のSばかり見ていましたが、ちゃんと軽量タイプもあります。これなんかは、黒のポリカーボネイドのシリーズ(Sサイズ)で、表示価格555ユーロからですので、かなりお安くなるとは思います。これはこれで軽いのが魅力ですよね。あ、私が先ほどのバイエルン・ミュンヘンのショップで買い物したのが、反射して写り込んでしまってバレバレですね、すいません。

大きいClassic Cabinも一応見てきました。61Lで、1,120ユーロとなっています。他にもバラエティはありそうでしたが、1,200とかそんな感じだったと思います。すいません、今回はSサイズ中心での視察でした。

いかがでしょうか。「ミュンヘンでリモワを安く買うことができる」説の、2022年7月時点での確認作業は、以上となります。
一応、ミュンヘンにきたので、定番のマリエン広場の写真もアップしておきます。ミュンヘンはリモワだけでなく、こんな素敵な場所です。が、広場はめちゃくちゃ混んでいました。コロナは完全に忘れ去られているようです。

ちょっと今回は、皆様にお伝えしたいことがたくさんあり過ぎて、話がいろいろと飛んでしまいましたが、このうちのひとつでも、参考にして頂ける部分があれば、嬉しいです。
それでは、また。